介護態様-常時介護と随時介護

①裁判においては、近親者介護の場合の日額を、「常時」介護を前提として
前記のような赤い本、青本の示す基準(日額8000円程度)により認定する
傾向にある(東京地判平成15年3月26日等)。

もっとも、具体的な事案においては当該被害者に必要な介護の内容
(介護を要する場面、時間、介護労働の肉体的・精神的苦痛の程度など)を
検討して実質的に判断しており、「随時」で足りるから「常時」の基準額の
何割減にするといった方法では判断していない。裁判例上、随時介護の
場合には常時介護よりも低額の2500円から3000円程度を認定される
ケースもあるが(名古屋地判平成11年9月24日等)、常時・随時等を
区別せずに具体的にどのような介護を要するかという内容を認定した上、
相当な介護費を算定している裁判例も多い
(大阪地判平成12年2月9日参照)。

近時の裁判例は、実際に必要とされる介護の内容を詳細に検討し、
そのような介護をするためには誰が、どれくらいの時間をかける必要が
あるか、介護者の肉体的・精神的負担はどの程度か、公的扶助を受ける
ことによる負担軽減や住宅改造による負担軽減はどの程度か等具体的に
検討しているものが多い。被害者の体格と介護者の体格とを比較して、
近親者単独での介護を困難と判断する裁判例もみられる
(名古屋地判平成18年8月29日、名古屋高判平成19年2月16日
自保ジャーナル1688号3頁、大阪地判平成19年4月10日
自保ジャーナル1688号13頁)。

②また、職業介護人の場合の日額と介護保険制度との関係については、
介護保険における「要介護・要支援」の判定はあくまで同保険制度の
認定基準にしたがってなされるものなので、同じ「介護」という言葉が
用いられていても要介護度の程度と「常時介護」「随時介護」の別とは
関連しない。

また、介護保険において要介護とすることを否定されたからといって、
直ちに損害賠償における介護の必要性が否定されるものではない
(大阪地判平成17年9月29日自保ジャーナル1635号)。

このように、裁判例においては、介護保険制度の判断とは無関係に、
具体的な介護態様を考慮して将来介護費を認定されている。




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