裁判例④

裁判例④さいたま地判平成18年8月4日
(自保ジャーナル第1682号)
年齢: 59歳(事故時)
性別: 女子
傷害内容: びまん性軸索脳損傷、左大腿骨頸部内側骨折、右恥骨骨折、
右腸骨骨折、右第8肋骨骨折、脳挫傷後異所性仮骨、頭部顔面外傷、下顎骨折等
自賠責等級: 高次脳機能障害1級3号、下肢関節用廃8級7号
被害者側の状況
排泄傷害、感情失禁、記銘力・知能・見当識の低下等の後遺障害
移動には車椅子を用いる必要があり、屋外等での移動にはさらに助けを
必要とする。
経済的な事情から、被害者の長男(原告一郎)は職業介護人を依頼することが
できず自らが介護しているが、職業介護人を依頼することができた場合には、
知り合いの会社に就職する予定を有している。

介護内容: 常時介護
認定された介護費用
年間125日(休業日):近親者介護日額1万円
上記以外の年間240日:職業介護人日額2万円(近親者介護分も含む)
原告の請求: 被害者の後遺障害は重篤であり、日常生活のほとんどの
場面において付添の必要性があるとして、上記認定された介護費用と
同額を請求。

【上記介護費用の認定に至った理由】
裁判所は、被害者(原告花子)及び原告一郎が居住する県内の介護業者の
料金表から、職業介護人の介護費用としては、1日1万9106円がかかる
ことを認定した。

そして、原告一郎の経済状態及び他に家庭内に原告花子を介護することが
できることがいないため、原告一郎が勤務先を退職して原告花子の介護に
当たっており、本件事故の損害についての賠償金の支払いがなされた場合には
就労を始める予定があることなどから、原告一郎が、原告花子の平均余命年数の
27年間にわたって、就労をせずに原告花子の介護に当たることを前提として、
将来の介護料の損害額を算定することは相当とはいえないとした。

以上を前提として介護費用については、
①原告一郎が就労している場合には、一般的に休業日とされている
年間125日を除く年間240日については、職業介護人による介護が
必要であり、職業介護人を依頼する日の介護料は、午前8時から午後7時までの
介護についての費用が、合計1万9106円程度かかり、上記の時間帯以外も、
原告一郎などの近親者による介護が必要であることを考慮すると、
1日2万円と認めるのが相当であるとし、

②原告一郎などの近親者のみで介護することが可能な日の介護料は、
原告花子に対する介護の質、量及び拘束時間などを考慮すると、
1日当たり1万円と認めるのが相当であると判示した。

【本裁判例の特徴】
本裁判例は、現在介護に当たっている近親者が、賠償金の支払いがなされた
場合には就労を始める予定であるとし、近親者から職業介護人への介護人の
変更を認めたものであり、さらにその金額も、近親者の介護が必要な時間帯が
あることもふまえ、職業介護人の実際の介護費用よりも高額な介護費用を
認めたものである。




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