【裁判例⑤】【裁判例⑥】

他にも高次脳機能障害の事案ではないものの参考になる裁判例として、

【裁判例⑤】大阪地判平成13年6月28日(自保ジャーナル第1431号)

(事故時40歳男子が1級3号四肢麻痺障害を残した事案)では、
「介護保険による給付を受けるには介護認定審査会による要支援、
要介護認定を受ける必要があり、要介護の程度によりサービスの支給限度額が
定められているから、原告が当該制度を利用する意思を有していたとしても、
当該制度を利用できるかどうか、どの程度の給付を受けることができるかは、
必ずしも明らかとはいえないことに加え、そもそも介護保険法21条が、
第三者の行為によって給付事由が生じた場合に、市町村から当該第三者に
対する代位請求及び支給停止の規定を設けていることからすれば、
現実に給付が支給された場合にそれが損害の填補として損益相殺の対象と
なるものと認める余地はあるものの、現実に支給されていない将来の
給付見込分について、第三者が損害賠償の責を免れるものと解すべき理由は
ない」としている。

さらに、

【裁判例⑥】さいたま地判平18年10月18日(自保ジャーナル第1675号)

(事故時68歳女子が四肢麻痺等1級1号障害を残した事案)では、
「介護保険は、障害者を保護するための制度であり、これを利用するか
どうかは、その障害者の側で選択すべき問題であるから、現に介護保険の
適用を受けていない被害者に対し、加害者が、介護保険の適用が
受けられるから全額の損害賠償は認められない旨の主張をすることは
許されない」「被告らは、原告花子は、Dからの公的補助が可能であるから、
この分を将来の介護料から控除すべきであると主張する。

しかし、弁論の全趣旨によれば、原告花子は、上記機構から未だ介護給付を
受給していないと認められるところ、このように、介護給付を
受けていない者に対し、上記制度の存在を指摘して、将来の介護料の減額を
主張することも許されないというべきである」と判示している。




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