【裁判例④】

福岡地判平成17年7月12日(自保ジャーナル第1612号)
事故時69歳女子が高次脳機能障害等1級後遺障害を残した事案
被告の主張・・・原告ら主張の職業付添人の費用を将来の介護費用算定の
基礎とすることは、必ずしも適切な将来の介護費用の算定とはいえない。
今後介護保険の給付割合や保険適用の範囲が変更されれば、介護ビジネスにも
様々な影響があり、付添い以外の介護サービスや廉価で利用できる介護施設等が
充実すれば、職業的付添いよりもそちらを選択することも考えられ、
介護産業が発展し、介護の内容、程度による料金体系の細分化や合理化も
考えられる。

裁判所の判断
「実際に要する実費全額を損害と認めるべきであり、また、未だ支給が
確定していない将来の介護保険給付(予定)額は控除すべきでないから
(最高裁平成5年3月24日大法廷判決・民集47巻4号3039頁参照)」
「日額2万5、392円を相当と認める」として、後述する最高裁判例を
引用した上で、支給が確定していないことを理由として控除を否定した。

その上で、被告の主張に対して、「予測される原告花子の生存期間である
今後十数年の間に、各種介護サービスがより廉価で利用できるようになる
具体的な見込みが存することを認めるに足りる証拠はなく、現時点で
利用可能な介護サービスを使用する場合に実際に要する実費を基礎として
将来の介護費用を算定せざるを得ないというべきである」と判示して
将来介護費の算定においても実費額を基礎とした。

なお、上記裁判例の「未だ支給が確定していない将来の介護保険給付
(予定)額は控除すべきでない」という言い回しからは、既に支給された
介護保険給付については控除を前提にしているものと思われる。




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