介護保険の受給者及び要介護認定

介護保険の受給は、「要介護者」及び「要支援者」に対してなされる。
ここで、「要介護者」とは、
①要介護状態にある65歳以上の者及び
②要介護状態にある40歳以上65歳未満の者
であって、その要介護状態の原因である身体上又は精神上の障害が加齢に
伴って生じる心身の変化に起因する疾病であって政令に定めるもの
(以下「特定疾病」という。後記参照)によって生じたものであるものをいう
(介保第7条3項)。

また、「要支援者」とは、
①要支援状態にある65歳以上の者及び
②要支援状態にある40歳以上65歳未満の者
であって、その要支援状態の原因である身体上又は精神上の障害が特定疾病に
よって生じたものであるものをいう(同条4項)。

上記要介護者等の定義では65歳以上の者については、介護または支援が
必要となった原因は限定されていないものの、65歳未満の者については、
特定疾病を原因として介護または支援が必要となったことが要求されている。

そのため、主に65歳以上の者が交通事故に遭い高次脳機能障害を残した場合に
介護保険給付がなされることになる(40歳以上65歳未満の者について、
高野正人『高齢被害者の介護費用損害と介護保険』交通30号99頁以下では、
交通事故以前に特定疾病を持っていた者が交通事故後特定疾病を発症させ
要介護状態になった場合に、「病気のせいで要介護状態になったのか、
それとも事故による怪我のせいでなったのかという問題になってくるわけですが、
介護保険制度の担当部局の担当官と意見交換をした結果では、交通事故が
きっかけになっていても、疾病が発症した、あるいは増悪して要介護状態に
なったのであれば保険給付をしないわけにはいかないだろうという感触でした。

従って、45(原文ママ)から64歳の被害者の場合でも介護保健と
損害賠償が関係する場合もないわけではなかろうと思われます。

ただ、現実の問題としては、例えば後縦靱帯骨化症を持っている者が
交通事故による被害を受けて、事故による直接的なけがによらず、要介護度の
認定を受けるまでにひどい症状が発症するかどうかというと、そこまでは
いかない場合が多いのではないかと思いますので、結論的に言うと、
余りこういう事例は現れてこないのではないかと思います。

ほとんどの場合は冒頭に申し上げましたように、65歳以上の交通事故の
被害者に関してのみ、損害賠償との関係が生じてくると考えておけばいい」
と述べられている)。
             
  
介護保険法施行令2条に定める特定疾病
①がん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みが
ない状態に至ったと判断したものに限る。)
②関節リウマチ
③筋萎縮性側索硬化症
④後縦靭帯骨化症
⑤骨折を伴う骨粗鬆症
⑥初老期における認知症
⑦進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病
⑧脊髄小脳変性症
⑨脊柱管狭窄症
⑩早老症
⑪多系統萎縮症
⑫糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
⑬脳血管疾患
⑭閉塞性動脈硬化症
⑮慢性閉塞性肺疾患
⑯両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症




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