上記認定に至った理由

原告は、本件事故により生じた記憶障害・思考障害によって状況判断能力を
失ったため、原告は社会に適応することができず就労の可能性は
閉ざされているとし、高次脳機能障害は後遺障害等級3級3号に該当すると
主張した。

他方、被告は、準社員待遇とはいえ就労しており、あるいは就労可能な
障害程度であり、これを後遺障害等級3級とは認定できないことは明白であり、
後遺障害等級5級2号に止まるものであると主張した。

裁判所は、

①原告が身体障害のほか、脳外傷を原因とする脳の機能障害により一般通常人と
比較して著しく労働能力、特に社会生活能力が低下したことは明らかであること

②階段の昇降、自転車の使用は可能であり、公共交通機関を利用して単独で
病院に通院することが可能となっていること、単独で公共交通機関を使用して
外出し、知人と待ち合わせをして用事を足し、外食をすることが可能となったこと

③民間会社に障害者雇用として1年間の契約社員として勤務を始め、
目立った遅刻・欠勤等もなくパソコンの入力作業に従事して25歳で
時給1500円程度の給与を得ていること

④当初期待された電話対応などの顧客対応は依然としてできず正社員には
なれなかったものの契約の更新がなされて勤務を続けていること

⑤自動車の運転が可能であることから、「原告は不十分ながら社会に適応して
稼動しているとみることができ、今後も稼動を継続することのできる可能性が
十分に認められる」とし、

後遺障害の程度は神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な
労務以外の労務に服することができないものとして、後遺障害等級5級2号に
該当し、労働能力喪失率は79%とみるのが相当と判示した。




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