上記認定に至った理由

原告は、
①日常生活において、食事・更衣・入浴・トイレ等の日常生活の動作事態は
一応一人でできるものの、ご飯を皿に入れる等見当はずれなことをしたり、
状況に応じた衣類の選択ができなかったり、身体を拭かずに服を着てしまったり、
トイレに行くのが間に合わず大小便を失禁してしまうことがままあること

②電車に乗ることはできるが切符を買うことができないこと

③顔見知りの人と意思疎通したり、他人に対して言葉を発することはできるが、
電話での応対や来訪者との応対・初対面との人とのコミュニケーションには
制限があること

④無気力で1日中ボーっとしていることが多く、感情の起伏が激しく、
怒りっぽく、話したいときに聞いてもらえないと暴言を吐いたり
突っかかってきたりすること

⑤作業速度の遅さや職場での人間関係維持の困難さなどから公的施設での
皿洗い作業を解雇となったこと

から、原告の高次脳機能障害の程度は「神経系統の機能または精神に著しい
障害を残し終身労務に服することはできないもの」に相当するので、
自賠責後遺障害等級3級3号に該当し、喪失率は100%であると主張した。

他方、被告は、原告の労働能力喪失率は79%であると主張した。
裁判所は、

①記銘・記憶力障害、知能低下・易怒性・暴力行為などの感情障害が
認められること

②解雇されたことを認めるに足りる証拠はなく、仮に高次脳機能障害による
作業及び環境への適応困難さを原因として解雇されたのが事実だとしても、
その一事をもって「終身労務に服することはできない」と評価することは
できないこと

を判示し、高次脳機能障害の程度は「神経系統の機能又は精神に
著しい障害を残し、特に軽易な労働以外の労働に服することはできないもの」
という自賠責後遺障害等級5級2号(併合4級)に該当するとして、
喪失率を92%と判示した。




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