介護態様の違いと等級認定

介護を必要とする別表1の後遺障害等級において、第1級1号と第2級1号とは
どのように区別されるのか。

上述のように、平成12年認定システムにおける報告書に示された
「等級認定にあたっての考え方」によって、各等級の認定基準の
補足説明はなされているものの、そもそも介護という言葉自体の曖昧さも
あり、どのような介護態様によって第1級1号と第2級2号に
分類されるかは慎重に検討されなければならない。

ここで、重要な役割を果たすのは、自賠責保険が準拠する労災保険の
基準ということになる。

平成15年8月8日基発第0808002号
等級: 高次脳機能障害における障害等級認定の基準
第1級の3:
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
高次脳機能障害のため、生命維持に必要な身のまわり処理の動作について、
常に他人の介護を要するもの

a 重篤な高次脳機能障害のため、食事・入浴・用便・更衣等に常時介護を
要するもの又はb 高次脳機能障害による高度の痴ほうや情意の荒廃が
あるため、常時監視を要するもの

第2級の2の2:
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
高次脳機能障害のため、生命維持に必要な身のまわり処理の動作について、
随時介護を要するもの

a 重篤な高次脳機能障害のため、食事・入浴・用便・更衣等に随時介護を
要するもの又はb 高次脳機能障害による痴ほう、情意の障害、幻覚、妄想、
頻回の発作性意識障害等のため随時他人による監視を必要とするもの又は
c 重篤な高次脳機能障害のため自宅内の日常生活動作は一応できるが、
1人で外出することなどが困難であり、外出の際には他人の介護を必要と
するため、随時他人の介護を必要とするもの

上記のように、労災保険の基準によるとある程度詳細ないくつかの例示が
なされている。

生命維持に必要な身のまわりの動作、ADL(Activities of Daily Life)
である、食事・入浴・用便・更衣等に必要な介護が常時介護か随時介護か
によって1級と2級が分かれることもあるし、高度の痴ほうや情意
(感情と意志)が荒廃しており常時の監視が必要なのか、そこまでいかず
障害にとどまるため随時の監視で足りるとして2級になることもある。

自宅内の日常生活動作が一応できれば常時介護は必要でないため
1級とはならず、1人での外出が困難で介護が必要となる場合には
2級となることが分かる。

もっとも、このような常時介護と随時介護の違いはあくまで程度の
問題であり、明確に区別することはできない。

高次脳機能障害においては、身体の麻痺が併存することが多く、
そのような状態であれば介護の必要性がより増し、高い等級が認定される
可能性が高くなることは当然であるが、結局、精神症状等についての
具体的所見や日常生活動作検査表、日常生活状況報告書、神経心理学的
検査結果等を総合考慮して、常時介護かあるいは随時介護で足りるのか
判断することとなると思われる。




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