事故との因果関係の判定(他の疾患との識別)

記憶障害や注意障害、遂行機能障害等の認知障害や、易怒性や抑うつ、
依存性・退行などの社会的行動障害などの高次脳機能障害としてみられる
各症例は、必ずしも(事故によって負った)脳外傷によってのみ
発症するものではないため、事故による後遺症として高次脳機能障害の
可能性を考えるとき、現実に被害者に生じている諸症状が、現実に
(事故によって負った)脳外傷によって生じたものかどうかという
因果関係の認定が問題となる。

この点、高次脳機能障害と判断しうる具体的な特徴として、上記のとおり
意識障害および画像上から認定しうる脳の変化が挙げられることから、
頭部への外傷後これらの症状がみられ、その後軽減していくような場合には、
高次脳機能障害との因果関係は原則として認められるものといえる。

これに対して、因果関係に疑いを生じさせる例として、平成19年報告書は、
「頭部への打撲があっても、それが脳への損傷を示唆するものではなく、
その後通常の生活に戻り、外傷から数ヶ月以上を経て高次脳機能障害を
思わせる症状が発現し、次第に増悪するなどしたケースにおいては、
外傷とは無関係に内因性の疾病が発症した可能性が高いものといえる」
としている。

また、特に高齢者については、脳外傷によらず非器質性の障害
(認知障害など)が発症したという可能性もあるため、その可能性の
有無についても慎重に判断する必要がある。




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