高次脳機能障害とは

交通事故により脳損傷を受けた被害者が、外見上は回復しているのに、
事故前と比較して人格や性格に変化を来し、記憶保持等の知的側面にも
異常があるため、就労ができず、また、日常生活でもトラブルになる
被害例が存在する。

これはまさしく、脳外傷による高次脳機能障害である。
脳の高次機能とは、脳が外部から情報を受けてから行動に移すまでの
脳の全ての過程をいい、物事に注意を向けて、以前の記憶と照らし
合わせて認識したり、新たに記憶・学習していく働きであり、また、
これらの認識に基づき判断を下し、どう行動したらよいかを計画する
高度な脳の働きである。

交通事故により、脳の高次機能が障害を受け、上記のような被害に
至ることについて、従来、画像上大脳の形態的異常が確認できる症例は、
いずれも大脳の一部に局在的損傷が認められるものであり、
その損傷部分によって脳の機能に障害が生じることが医学的に説明できた。

しかし、近時特に問題とされるのは、画像上の明確な形態的異常所見が
見出せないにもかかわらず、上記高次脳機能障害に至る、
いわゆるびまん性軸索損傷である。

これは、大脳皮質に明確な損傷が見出せなくても、大脳白質部の
神経軸索が広範に断線して、神経刺激の伝達が障害されるために
生じる症例である。

本章では、そもそもの脳の構造から説明し、頭部外傷及びこれによる
高次脳機能障害について特に自賠責との関係で説明した後、
最後に高次脳機能障害の重症度判断の参考にされている検査について述べる。




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