慢性期

びまん性軸索損傷により白質が損傷した結果、脳実質が全体として萎縮する。

慢性期には、CTおよびMRI画像で脳溝が拡大し、第3脳室及び
第4脳室を含む全脳室の拡大が生じる。

脳室拡大の確定には、外傷直後、3ヵ月後、6ヵ月後などの時系列のCT
及びMRI画像が大切である。

脳室の拡大は、受傷後のほぼ3ヶ月で固定するため、6ヶ月以降もさらに
脳室の拡大が進行すれば、外傷以外の原因も考慮しなければならない。

脳室拡大の程度は、びまん性軸索損傷の重症度と相関関係にあり、
高次脳機能障害と密接に関連する。

重症である遷延性意識障害の患者では大脳皮質や間脳だけでなく、
脳幹部の萎縮も存在する。

そして、脳室拡大を画像により判断するにあたっては、基準線を決めて、
時系列的に比較する。

同じ基準で、急性期と慢性期の画像を比較することが大切であり、
そのためには、受傷当日の頭部画像を入手・観察することが非常に重要である。

一般に、脳室は、加齢により拡大するが、同年齢でも個人差が大きいため、
年齢別の正常例と比較することは不適当であり、受傷当日の脳画像が
参照されるべきである。

なお、受傷当日の頭部画像フィルムは受傷前の脳室サイズを
反映するだけでなく、外傷前の脳病変のもろもろを反映しており、
外傷後に脳梗塞や脳出血性病変が認められた場合、これが外傷当日に
すでにあったかどうかを確認できる。

受傷後の急性期の画像が得られない場合は、比較対象として外傷前の
ものとするしかなく、また、全く画像が得られない場合は外傷直後の
状態(意識障害の有無)が画像検査を必要としなかったかどうかという
臨牀状態とあわせて判断する必要がある。

以下、実際の画像にもとづきこれらを検証するが、上記のとおり、
びまん性軸策損傷の事例においては脳室拡大が重要なポイントと
されるところ、脳室の投影図と部位の把握については、
以下の図19、20を参照されたい




  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ページトップへ

0120-949-753

このページの先頭へ