裁判例②(脊髄障害・素因減額)

裁判例② 東京高裁平成8年12月11日(交民集29巻6号1625頁)
年齢 57歳
性別 男子
事故状況
被告運転の普通貨物自動車が前方を走行していたタクシー(原告が後部座席に乗車)
が減速したことに気付くのが遅れ、車間距離が約10メートルに至って危険を感じ
ブレーキをかけたが間に合わず衝突した。衝突後、加害車両は18メートル以上、
被害車両は27メートル以上も滑走した(追突時の速度は確定しえなかった)。
後遺障害等級
原告主張:不明
自賠責:14級10号
裁判所認定:不明
原告の主張する傷害及び後遺障害
傷害:頸髄損傷ないし中心性頸髄損傷
後遺障害:右上下肢の機能障害、知覚障害
素因(既往症)の内容
頸椎後縦靱帯骨化、
変形性頸椎症(第4頸椎と第5頸椎に骨棘の形成、椎間板の高度の変性が見られる)
認定減額割合 40%

【認定の理由】
裁判所は、本件事故によって原告は頸椎損傷、頸椎捻挫の傷害を受けたが、
これがきっかけとなり、事故前から存在した原告の頸椎後縦靱帯骨化症や変形性頸椎症の
症状が顕在化して発現し、頸椎部運動制限、頸頭部痛、上下肢の知覚異常など、
頸椎損傷、頸椎捻挫に通常伴うものとされる後遺障害の範囲を超えて、右上下肢を
中心とする弛緩性麻痺、右上肢の用廃、右下肢の脱力による歩行障害、右上下肢の
知覚低下等の重篤な後遺障害が生じるに至り、また、これに伴って治療の長期化を
招くことになったものと推認できるとして、原告が本件事故前から罹患していた
頸椎後縦靱帯骨化症や変形性頸椎症の疾患が原告の後遺障害の程度や治療の長期化に
大きく寄与していることは明らかであると判断し、損害の公平な分担という観点から
素因減額の割合を40%とした。




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