裁判例⑧(脊髄障害)

裁判例⑧ 京都地判平成19年1月25日(自保ジャーナル第1699号)
年齢 事故時49歳
性別 男子
事故状況
原告車両前方の交差点付近が渋滞していたため、原告車両が渋滞車両の最後尾で
速度を落として停止したところ、原告車両の後方を走行していた被告車両に追突された。

原告の主張する傷害内容  左上肢機能障害、不全頸椎損傷等
自賠責等級 5級2号
裁判所認定等級
12級12号 喪失率14パーセント
喪失期間:8年

原告が主張する後遺障害の内容 
両上肢の疼痛、上肢の痙性麻痺、歩行障害等
コップで水を飲む、本をめくる、バスや自転車の乗り降りも不可能である。

被告の主張
①原告車両の損傷は軽微であり、原告に受傷が生じうるとしても、頸髄損傷程度に
とどまるものである。
②事故後の症状、画像所見からは不全損傷は認められない。

【認定の理由】
裁判所は、被告から提出された原告の日常生活を撮影したビデオテープ
(ガソリンスタンドでの車両の洗車、喫茶店で新聞をめくる動作やコーヒーカップを
使用する動作、ドアを開閉する際の動作のいずれについても不自由さを感じさせずに
行っている様子が写されていた。)からは、原告が主張する症状の存在は信用できない
とした上で、原告は本件事故後も継続的に自動車運転をしていた事実、担当医から仕事も
含めて日常生活を平常に戻していくようにとの就労指導、日常生活指導を受けていた
ことからすれば、労働に具体的な差し支えが生じるような身体状況であったとは考え難いとした。

また、事故状況についても、原告車両の修理見積書及び損傷写真から、原告車両の
修理費用は17万5、371円(消費税込み)程度とするのが相当であり、
このことからすれば本件事故による原告の身体に対する衝撃の程度は軽微であった
ものと推測され、この事実は、原告の後遺障害の程度が重いものと推測することが
困難であることを示していると判断した。

その上で、その他他覚所見がないこと等の事情から脊髄損傷を否定した。
なお、原告は、当初弁護士を代理人として訴訟遂行していたが、その後、原告の
日常生活行動の様子を撮影したビデオが被告より証拠提出されると、原告との信頼関係を
維持することは不可能である等として上記代理人弁護士が辞任したという経緯があった。

【本裁判例の検討】
本裁判例は、被告から提出されたビデオテープをもとに原告の主張が虚偽であると判断し、
その症状の存在に疑義を呈し、その他事故状況(原告が受けた衝撃の程度)も併せて
考慮した上で本認定結果を導いている。




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