裁判例⑥(脊髄障害)

裁判例⑥ 東京地判平成17年5月30日(自保ジャーナル第1609号)
年齢 61歳
性別 男子
事故状況 原告が自動二輪車に乗り停車中、被告運転の乗用車に追突され、
突き飛ばされ転倒した。

原告の主張する傷害内容  全身打撲・頸髄不全損傷
自賠責等級  併合14級
裁判所認定等級
14級10号 喪失率5パーセント
喪失期間:5年間

原告が主張する後遺障害の内容
原告は頸髄不全損傷などの傷害を負い、原告の後遺障害は後遺障害等級5級2号
に該当し、特に軽易な労務以外の労務に服することができない。

被告の主張
原告の愁訴自体はでたらめである。
原告の症状が他覚所見の全く認められない神経症状であることからすれば、
労働能力喪失期間は3年に限定すべき。

【認定の理由】
原告は、被告の運転する乗用車に追突され、突き飛ばされて転倒した結果、
全身打撲等から頸髄不全損傷を受傷したと主張した。

これに対し、被告は衝突直前の被告車の速度はわずかなものであり、
この程度の外傷は2~3ヶ月の治療期間で十分であること、原告の愁訴と
行動には矛盾があり、原告の行動を調査したところ、原告は何らの苦もなく
徒歩で移動し、階段の昇降もしていたこと等の事情から、原告の愁訴は
でたらめであると主張した。

裁判所は、事故状況について、被告車がブレーキによってある程度減速して
いたことは推定できるが、原告が路上に転倒した状況からすれば、ある程度の
衝撃の大きさは認められると判断しつつも、原告に、筋委縮や病的反射等の
比較的客観性の高い他覚的異常所見は認められないこと、原告がリハビリ中の
症状固定前に、手荷物を持ったまま数時間、さほど杖に頼らず歩行ができ、
階段の昇降も可能であったこと等の事情から、5級2号の障害残存とは「到底言えず、
労働能力が大きく喪失されてといるとは考え難い」と判断し、自賠責の認定と同様、
14級相当(5%)であると認定した。

【本裁判例の検討】
被告は事故状況が軽微であること、原告の行動の調査結果等から原告の愁訴自体
信用できないものとして、頸髄不全損傷の存否を争った。

裁判所は、被告の調査結果を踏まえ、本件事故後の原告の症状の推移(他覚的異常
所見が認められないこと、日常生活における不具合が大きくないと認められること)、
原告の既往症(腰部脊柱管狭窄症に対する後側方固定術が施行されていた)
および心因的な影響も否定できないこと等を考慮して、原告の頸髄損傷を受傷
したとの主張を排斥した。




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