婚約破棄

裁判例           東京地裁平成10年1月20日判決

慰謝料の基準        870万円(後遺症9級相当640万円、
入院6ヶ月通院1ヶ月相当230万円)

増額慰謝料額        1550万円(680万円アップ!)

どのような事故だったか?
被害者は、事故当時22才独身の男性会社員で、事故当時、会社員として
音響エンジニアの業務に従事していたほか、間近に結婚を控えて、モスバーガーで
アルバイトをしていました。

事故は、交差点を左折しようとした加害車両が後方の安全確認を怠ったために、
後方から直進してきた被害者運転のバイクと衝突し、被害者が、頸椎運動障害と
間欠的左上下肢麻痺の後遺障害を負ったというものです。

この事故により被害者は、前記の後遺障害を負い、頸部の運動制限のために自動車の
運転ができない等の不便を来たしました。

また、間近に控えていた結婚も破綻するというつらい結果となりました。

裁判所が慰謝料を増額した理由のポイント

①事故により間近に控えていた結婚が破綻となったこと
②傷害・後遺障害の部位程度、入通院期間
  
解説

本判決は、後遺障害の等級を9級10号(神経系統の機能又は精神に障害を残し、
服する労務が相当な程度に制限されるもの)と認定しています。

9級の後遺症慰謝料の基準は、640万円です。

また、被害者は、症状固定までに入院が約6ヶ月通院が約1ヶ月ありますが、
この場合の傷害慰謝料の基準は230万円です。

しがたって、基準どおりなら、被害者の慰謝料は870万円となります。

ところが判決認定の慰謝料は1550万円で、基準よりも680万円増額です。

慰謝料認定にあたり判決が考慮したのは、傷害や後遺障害の部位・程度、入通院期間と
いった点と、事故により被害者が婚約破棄にいたったことですが、前者は
後遺症事案であれば通常考慮される要素です。

これに対し、婚約破棄は本件特有の要素ですから、裁判所があえてこれを
取り上げたということは、慰謝料増額に相当な影響を与えていると考えられます。

裁判になった場合、たとえば婚約相手だった人物の陳述書を用意する等により、
事故により婚約破棄にいたったことを立証して慰謝料増額につなげることが可能でしょう。




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