裁判例⑬(高次機能障害・将来介護費)

裁判例⑬東京地判平成21年7月23日(自保ジャーナル第1804号)
年齢 34歳(事故時)
性別 男子
傷害内容 脳挫傷、急性硬膜下血腫、右足関節脱臼骨折、左肘関節脱臼、
右下腿挫創等
自賠責等級
右足関節可動域制限8級7号、高次脳機能障害5級2号、外貌醜状12級13号、
左耳耳鳴り12級、臭覚減退14級(併合3級)
被害者側の状況
記銘力障害、記憶障害、遂行機能障害、意欲発動性の低下、注意障害、
社会的行動障害等の後遺障害
事故後全く就職することができず、外部との他院陣関係も維持することができない状態
介護内容 妻による看視、声かけ等の随時の介護
認定された介護費用 近親者日額:3000円
原告の請求 職業介護人による介護日額2万円

ア 認定の理由
裁判所は、原告の後遺障害のうち、高次脳機能障害の程度について、自賠責保険と
同様5級に相当すると判断した(労働能力喪失率についても自賠責認定の
併合3級相当である100%を認定している。)。

その上で、将来介護費用については、事故後通院服薬、身辺の清潔保持、金銭管理、
危険への対応等の行動を1人で適切に行うことができず、無意味なおしゃべりを続けたり、
トイレの水を流さなかったりするなど、その行動には異常な点が見られ、
外出も嫌がるようになり、妻以外の者との人間関係を築くことができないいわゆる
引きこもり状態に陥っており、原告が日常生活を円滑に行えるようにするためには、
妻による看視や声かけなどの介護が必要であると認定した。

もっとも、原告は、着替えや食事の摂取等の最低限の日常的な行為を自力で行う
ことができたことから、常時の介護や援助が必要とまでは言えないとして、
近親者介護として日額3000円を認定した。

イ 本裁判例の検討
本裁判例についても、裁判所は、原告の後遺障害の程度について、原則として
介護が不要とされる3級(高次脳機能障害については5級)と認定しつつも、
原告の具体的な日常生活状況を考慮した上で随時介護が必要であると認定し、
低額ながらも将来介護費用を認定している。




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