裁判例⑨(高次機能障害・将来介護費)

裁判例⑨さいたま地判平成22年3月29日(自保ジャーナル第1833号)
年齢 71歳(事故時)
性別 男子
傷害内容
頭部外傷(外傷性くも膜下出血、びまん性軸索損傷、脳挫傷)、顔面外傷
(顔面皮膚挫創、顔面骨骨折)、胸部鈍的外傷、全身打撲、不整脈等
自賠責等級 1級3号
被害者側の状況
自力歩行困難、トイレに独力で行くことができず、全ておむつで処理、
会話による意思疎通困難、食事を飲み込むことが困難、着替えを容易に出来ない、
テレビラジオに興味を示さず、新聞も読めない、入浴についても介助が必要であり
乗り降り等には3人がかりを要する等
介護内容 常時介護
認定された介護費用 室料差額日額5775円
原告の請求 室料差額日額2万3100円

ア 認定の理由
裁判所は、原告が将来自宅において在宅介護を受け、あるいは介護施設において
介護を受ける蓋然性はなく、上記のような常時介護を、裁判当時も受けていた
大学病院で終生受けることが認められるとし、その上で室料差額を判断した。

そして、同大学病院に入院した期間中の概ね3分の2については、個室が
空いていたことから個室で看護を受けたものの、その余は相部屋で看護を受けて
いたことから、原告の治療、看護を行うにあたり個室が必要であったとまでは
認められず、4床室の室料差額として、日額5775円の限度で将来の介護料を認めた。

イ 本裁判例の検討
本件では、原告の高次脳機能障害による介護状況から、終生大学病院の特別療養環境室を
利用する必要があることを認定し、その上で個室が必要か否かについて判断した。

そして、入院期間の3分の1を相部屋で看護を受けていた事実を重視して、
4床室を前提とする室料差額のみを将来介護費用として認定した(なお、原告は、
入院していた大学病院の関係者(医師)であり、その関係から個室が使用できていた
可能性も被告側から指摘されており、個室使用の必要性だけでなく、そもそも
室料差額の必要性から争われていた。)。




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