裁判例⑤(高次機能障害・将来介護費)

裁判例⑤長野地裁松本支部判決平成22年3月19日(自保ジャーナル第1830号)
年齢 69歳(事故時)
性別 男子
傷害内容
脳挫傷、外傷性くも膜下出血、硬膜下水腫、慢性硬膜下血腫、高度認知障害、恥骨骨折
、臼蓋骨折および症候性てんかん等
自賠責等級 高次脳機能障害別表第一2級1号
被害者側の状況
重度の記憶障害、遂行機能障害、注意障害に加え、発動性の低下、易怒性・興奮性、
対人機能の拙劣により、職業介護人と近親者による介護を併用している状態
介護内容 常時介護
認定された介護費用
職業介護人及び近親者によるものを併せて日額2万円
原告の請求 下記合計2万9545円
①日中
職業介護人による介護費用として、日額2万6545円、
②午後10時から翌朝午前8時まで
近親者による介護費用として、日額3000円

ア 認定の理由
裁判所は、
①起床と日中の活動を促すこと、
②食事を用意した上で見守りをして不要・不適切な食行動を制止すること、
③随時に便・尿漏れの有無を確認して上での対処、
④地類を準備し、服装を整序すること、
⑤入浴を促し、湯温を調整すること、
⑥服薬の管理、
⑦火気の取扱い、火気への接近を防ぐための監視、
⑧交通危険から身を守るための外出時の付添い、
⑨不適切な言動の制止を行い、対人関係を取り持つこと

など、原告の基本的な生活動作のほとんど全ての場面において、介護が常時必要で
あることを認め、介護の担い手については、妻が既に65歳と高齢であり、同居の娘も、
年齢、勤務状況に照らせば、自宅建物を離れた生活を想定すべき立場にあることから、
近親者ではなく、職業介護人を前提とすることが相当とした。

その上で、日中は、デイサービスなど自宅建物以外の施設等の利用、日中のそれ以外の
時間帯は自宅建物において職業介護人による介護、終身・起床時間帯は家人による
適宜の介護を予定して算出することが相当として、職業介護人及び近親者によるものを
合わせて2万円と認定した。

イ 本裁判例の検討
本裁判例では、介護の中心的な担い手について、同居の親族の身上や生活状況を
考慮した上で、職業介護人によるべきとし、また日常生活動作のほぼ全てについて介護が
必要であることから、時間帯によって必要となる介護の態様を詳細に検討しながら、
それぞれについて介護費用を算定しているところに特徴がある




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