裁判例①~③(口の障害)

裁判例①  大阪地判平成21年1月30日交民集42巻1号96頁 
年齢: 15歳(事故時)
性別: 男子
職業: 高校生(事故時)
傷害内容: 上顎骨骨折、歯槽骨折、右肩甲骨骨折等
自賠責等級: ―
本判例認定等級: 10級4号(歯科補綴)【20%】
本判例認定喪失率: 20%
労働能力喪失期間: 49年間(就労開始の18歳以降)
概要
後遺障害の内容が歯の欠損等であり、歯科補綴によりある程度機能回復することから、
27%の労働能力喪失があったとみるのは疑問があるとし、20%の限度で労働能力喪失を認めた。
なお、原告の重過失を認定し、慰謝料を当時の10級基準額より5割増額させた金額(795万円)で認定した。

裁判例② 横浜地判平成22年1月27日(確定)自保ジャーナル1825号
年齢: 35歳
性別: 女子
職業: 家事従事者
傷害内容: 顔面打撲、顎関節症、頸椎・腰椎捻挫等
自賠責等級: ―
本判例認定等級: 10級相当(歯科補綴)【27%】
本判例認定喪失率: 27%
労働能力喪失期間: 5年
概要
本判例は、労働能力喪失率は10級相当の27%を認めた一方で、全義歯となったことにより、
激烈な痛みやこれによる生活上の不便は、症状固定後は幾分緩解したものと推認され、
歯の補綴が直ちに労働能力喪失には結びつかないことを理由に喪失期間を5年とした。

裁判例③ 東京地裁平成16年9月1日(確定)自保ジャーナル1582号
年齢: A:48歳 B:48歳
性別: A:女子  B:男子
職業: A:鞄店勤務 B:家事従事者
傷害内容
A:頸椎捻挫、右肩挫傷、外傷性歯牙脱臼等
B:頸椎捻挫、右肩挫傷、外傷性歯牙脱臼等
自賠責等級
A:併合11級(歯牙障害11級、右肩痛・頸部神経症状14級、なお既存障害12級3号)【20%】
B:併合10級(歯牙障害10級、頸部神経症状14級、なお既存障害11級4号)【27%】
本判例認定喪失率: A:5%  B:5%
労働能力喪失期間: A:10年 B:5年
概要
Aについて、本判例は、歯牙障害について、その性質上直ちに後遺障害等級相当の
労働能力を喪失したとはいえないとしたうえで、入れ歯としたため通常に話すと
入れ歯の金具が見えるため口元が気になる上、子音を構成する口唇音のうち、
ま行音、ぱ行音の発音にも影響が生じており、Aの接客等の業務に影響があると
考えられること、歯を食いしばる場合に以前のように力が入らず、さらに咀嚼機能にも
低下があること、実際に本件事故後に売上げが減収したことにより給与が減額となった
ことを考慮し、頸部及び右肩の神経症状と併せて、労働能力喪失率及び喪失期間を
制限した上で逸失利益を認めた。
Bについて、本判例は、歯牙障害による逸失利益について、Bが家事労働に
従事している者であり、接客等における労働に対する影響は考えられないとし、
歯牙障害により直ちに逸失利益を生じると評価すべき具体的事情が見いだせないとして、
頸部神経症状による後遺障害についてのみ労働能力喪失を認めた。




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