裁判例①~③ 鼻の障害

裁判例① 名古屋地判平成21年1月16日自保ジャーナル1795号
年齢: 37歳(事故時)
性別: 男子
職業: 会社員(技術職)
傷害内容: 頭部挫創、脳挫傷、急性硬膜下血腫、頸椎捻挫等
自賠責等級: 併合11級(脳挫傷痕12級、嗅覚脱失12級、頸部痛14級9号)【14%】
本判例認定喪失率: 14%
労働能力喪失期間: 29年間(症状固定時38歳~67歳)
概要
本判例では、脳挫傷痕及び頸部痛による逸失利益の発生は否定したが、
嗅覚脱失については、原告に減収はないものの、原告の職務内容や勤務先の業務内容等を
考慮すると労働能力に相当の影響を与えるものであることはあきらかであり、将来、
嗅覚脱失による経済的不利益が生じるおそれが高いとして、嗅覚脱失12級の等級通りの
喪失率を認定した。
なお、本判例では、原告が工業高等学校を卒業した後に就職した会社において
NAS電池の製造に携わっていたところ、製造過程において種々の化学物質が
用いられていることから、製品の品質を適切に管理する上でも、また、作業上の安全を
確保する上でも嗅覚に頼るべき状況が少なからずあるが、原告が本件事故によって嗅覚を
失ってしまったことから、現在、職場において、嗅覚を補うための補助者を用いるなどして、
その職務を遂行しており、また、原告は、これまで専ら技術者としての職歴を有することから、
今後とも、化学物質等を用いた製品の製造、研究、開発等の職務を担当する蓋然性が
高いことが考慮された。

裁判例② 横浜地判平成11年6月14日自保ジャーナル1320号
年齢: 27歳(事故時)
性別: 男子
職業: 高校講師(事故時)教員(事故後)
傷害内容: 脳挫傷、急性硬膜下血腫等
自賠責等級: 併合11級(嗅覚脱失12級、脳挫傷痕12級12号)【20%】
本判例認定喪失率: 10%
労働能力喪失期間: 39年(症状固定時28歳~67歳)
概要
本判例では、原告は、後遺障害により収入が減少したとは認められないが、それは、
原告が事故後に教員免許を取得したことによるものであり、相応の努力をした結果であるとし、
嗅覚脱失によって生徒指導や私生活に不便なことがあり、今後の昇進や再就職の際に
不利益に働く可能性が否定できないとし、等級よりは低いが10級の喪失率を認定した。

裁判例③ 大阪地判平成9年8月28日自保ジャーナル1262号
年齢: 44歳(事故時)
性別: 男子
職業: 会社員
傷害内容: 頭部顔面打撲裂創、頭蓋骨骨折、脳挫傷、外傷性くも膜下出血、等
自賠責等級: ―
本判例認定等級: 併合12級(嗅覚脱失12級、頭痛等14級)【14%】
本判例認定喪失率: 14%
労働能力喪失期間: 22年間(症状固定時45歳~67歳)
概要
本判例では、原告が、嗅覚脱失により溶剤の区別がつかなくなったことや目眩のため
高所での作業ができなくなる等したこともあって会社を退職したことの事情に照らせば、
嗅覚障害が労働能力に少なからず影響を及ぼしていることは明らかであり、目眩、頭痛、背
中や肩のこり、手足のしびれ等の症状もあることを考慮し、等級通りの認定とした。




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