裁判例13 京都地判平成15年4月25日 自保ジャーナル第1515号

裁判例13 京都地判平成15年4月25日 自保ジャーナル第1515号 
年齢      49歳
性別      男性
事故日      平成7年7月12日
事故状況      原告が原付を運転中、追越中の被告車に衝突された。
原告の主張する傷害の内容      脊髄損傷、四肢麻痺、排泄障害
自賠責等級      不明
裁判所認定等級等      非該当
原告が主張する後遺障害の内容
ろっ骨骨折、脊髄損傷等で、四肢麻痺、排泄障害、握力低下等、
12級後遺障害を残した。

被告の主張      脊髄損傷は生じていない。

【裁判所の判断】
原告は、本件事故により、脊髄損傷等で四肢麻痺・排泄障害を発症したと
主張し、被告は、本件事故による原告の受傷は、せいぜい頭部外傷、
頸椎捻挫、胸部挫傷、右第4肋骨骨折であり、脊髄損傷を受傷したとは
言えないと争った。

 裁判所は、
①原告が病院で手を使用して食事を摂取していたこと、

②頸髄MRI検査でも異常所見はなかったこと、

③看護記録上も原告の両上肢、手指はよく動いており、両膝も45度近くまで
曲げても苦痛の表情はないとされていたこと、

④医師が原告には神経質様徴候が強く、異常知覚、過敏な徴候があり、
歩行可能と思われるが本人は積極的ではないと判断したこと、

⑤事故状況から原告に加わった衝撃がさほど強度のものではなかったこと、及び

⑥事故の約半年後に単身で渡米し、その間治療を中断して独居生活を
行っていたこと

等から、脊髄損傷の受傷を否定した。

そのうえで、裁判所は、原告の主張する後遺障害は認められないとして、
逸失利益及び後遺症慰謝料を認めなかった。

【本裁判例の分析】
本件では、事故態様が軽微であったことや(要素①)、原告の治療経過に
おいて、MRI検査での異常所見がみられなかったことや、原告が自らの
手で食事を摂取したり、本件事故事故の半年後には単独で渡米し、
治療を中断して独り暮らしを行っていたという、脊髄損傷を受傷した患者が
取ることが通常考え難い行動を行っていたこと(要素②)などから、
裁判所は、原告の脊髄損傷の受傷を否定した。

なお、原告は、本件事故の約2年前の交通事故により脊髄損傷で四肢麻痺・
排泄障害等を訴え、本件事故の約1カ月半前に症状固定したという事情も
あったが、裁判所は、原告の主張する後遺障害について、前回の交通事故に
よる後遺障害と共通しており、また上記のとおり、頸髄損傷を受傷したことを
裏付ける他覚的所見がないことから、原告が本件事故により脊髄損傷を受傷し、
あるいは前回事故の脊髄損傷が加重されたと認めることはできないとした。




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