裁判例10 東京地判平成11年1月20日(自保ジャーナル1303号)

裁判例10 東京地判平成11年1月20日(自保ジャーナル1303号)
年齢 24歳
性別 男子
事故日 平成4年2月21日
事故状況 原告は交差点で乗用車運転中、一時停止道路から進入した
被告運転の普通貨物車に衝突された。

原告の主張する傷害内容    中心性頸髄損傷
自賠責等級    5級2号
裁判所認定等級等     非該当
原告が主張する後遺障害の内容     事故翌日に四肢の痺れを訴え、
その後左下肢麻痺が残った。

被告の主張    不明

【裁判所の判断】
 裁判所は、
①主治医の判断(原告のリハビリに対する姿勢や病的反射がない、
握力が検査日によって極端に異なる等の事情から、原告の症状はヒステリーに
よるものではないかと考えていたこと)、

②被告依頼の医師の意見書(「下肢における運動麻痺及び感覚脱出は、
左右で全廃と正常という極端な差があるのに、腱反射、筋緊張、筋萎縮などは
左右差がない、といった矛盾があり、原告の症状はかなりの部分でヒステリー性
のものと考えざるをえない」)、

③鑑定人の意見(「一般に、中心性頸髄不全損傷であるとすれば、肩から上は
上がりにくいが、首から下はまったく正常であるなどの症状を示すはずであるが、
原告の症状はそれに合致しない。衝突の衝撃で脳震盪と同じく、脊髄震盪
(脊髄ショック)が生じるので、原告の当初の上肢の症状はおそらくこれによる
ものと思われる。これによる症状は通常2週間から2か月程度継続するに
とどまり、いずれにしても、下肢には関係ない。なお、心因的要因が存在する
ことは想定される」)

をもとに、原告の訴えている症状がヒステリーの特性として挙げられる症状の
範疇に含まれていることに加え、症状が他覚的検査結果からは説明できない
ことを理由に、原告に本件事故に起因する後遺障害は認められないと判断した。

【本裁判例の分析】
本裁判例は、一般的に中心性脊髄損傷から生じる症状や麻痺の内容と原告の
症状との整合性を検討し(要素②)、原告の症状は一般的な症状とは合致
しないこと、心因的な要因も考えられることから、脊髄損傷を否定した。




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