分析の視点

裁判例を検討するにあたっての視点として、脊髄損傷の存否が争われる
場合の判断を左右する要素としては、まず①事故の態様が脊髄を損傷する
程度のものかどうかが挙げられる。

軽微な事故であるならば、脊髄を損傷するような衝撃が被害者には
加わっていないと争われるからである。

次に、②脊髄損傷により通常生じうる症状との異同(症状の内容や麻痺の
範囲の相違、症状の遅発・悪化等)が挙げられる。

脊髄損傷によって、通常生じうるとされる症状と異なる症状が被害者に
生じている場合には、当然のことながら脊髄損傷がそもそも生じているのかが
問題となるからである。

他にも、医学上は、脊髄を損傷すると受傷直後から上下肢の麻痺といった
症状が生じるのが一般的であるところ、脊髄損傷と診断されても、上下肢の
麻痺といった脊髄損傷特有の症状が事故後しばらくしてから生じたり、
事故後時間の経過と共に悪化していったりしたような場合、いわゆる症状の
遅発を理由に脊髄損傷の存否が問題となる。

さらに、③既往症の存在が挙げられる。
事故によって痺れ等の症状が生じていても、それが脊髄損傷によるものか
どうかが争いになる場合に、既往症と相俟って脊髄損傷が生じたとして
脊髄損傷が認められる場合や、他方で、脊髄損傷は生じておらず痺れ等の
症状は事故を原因とした既往症の悪化による神経症状であるとして、
事故と後遺障害自体との因果関係は認められる場合があるからである。




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