脊髄の動脈

脊髄に栄養を供給する脊髄動脈の起始動脈は、脊髄の髄節によりそれぞれ異なる。

例えば、頸髄は椎骨動脈や上行動脈から出た脊髄枝により栄養を供給される。
また、胸髄や腰髄はそれぞれ大動脈の枝である肋間動脈や腰動脈から出た
脊髄枝により栄養を供給される。

脊髄枝は、前根動脈と後根動脈とに分かれる。前根動脈は脊髄腹側正中部の
表面を上下方向に走行する前脊髄動脈に、また後根動脈は脊髄後外側の表面を
上下方向に走行する左右の後脊髄動脈に合流する(馬場p55図5)。

前脊髄動脈と後脊髄動脈との間には多数の吻合枝があり、これらが脊髄表面を
網目状に覆っている。また、前脊髄動脈と後脊髄動脈は脊髄実質にも枝を
送っている。特に、前脊髄動脈からの枝(前中心動脈)は、白質の前索・側索、
灰白質の前角に栄養を供給している。これは、脊髄横断面の全体の2/3に及ぶ。
一方、後脊髄動脈からの枝は後索と、灰白質の後角に栄養を供給している。

病巣の部位により異なるが、例えば頸髄で前脊髄動脈が血栓などにより閉塞すると、
上肢は両側性に弛緩性麻痺を、また下肢は両側性に痙性麻痺を、
そして上肢の温痛覚脱失と膀胱直腸障害(尿意や便意の喪失、排尿困難など)を
きたす。これは前脊髄動脈症候群とよばれる。




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