信号無視

裁判例1            名古屋地裁平成4年2月7日判決

当時の慰謝料の基準       2400万円
増額慰謝料額          2600万円(200万円アップ!)

どのような事故だったか?

被害者は、27才男性会社員です。
家族は、両親、妻と1才の子供ですが、事故後に子供が生まれています。

事故現場は、交差点で、信号機による交通整理が行われていました。
加害者は、タクシー運転手です。

加害者は、交差点手前で信号が黄色になったにもかかわらず加速をし、
前方を時速約60kmで走行する乗用車を追い抜いた上、赤信号に変わっても
さらに加速を続けて交差点に進入しようとしました。

その際、対向右折してきた被害者運転の乗用車に気付いてブレーキをかけましたが
間に合わずに衝突し、被害者を死亡させたというものです。

衝突の際の速度は、加害車両が時速66km、被害車両は時速38kmでした。

裁判所が慰謝料を増額した理由のポイント

①赤信号無視という一方的過失
②被害者の年齢や家族構成
  
解説

本件は、27才という若さで、幼い子と妻を残して死亡するという痛ましい事故です。

この事故の原因は、いうまでもなく加害者の信号無視にあります。

信号無視が原因と考えられる死亡事故は、ここ10年ほどの統計によれば
減少傾向にありますが、それでも平成18年度で209件と、根絶にはほど
遠い状態です。

信号無視は、それのみでも3月以下の懲役または5万円以下の罰金がある
重大な違反であり(道路交通法7条、119条第1項第1号の2)、
慰謝料算定にあたっては加害者側の悪質事情として考慮されます。
「信号を守ってさえくれていれば・・」と、被害者や遺族の怒り・悲しみも
大きなものとなります。

そのため、信号無視がある場合には、通常よりも慰謝料が増額されることが
多いでしょう。

本件判決も、被害者の年齢や家族構成といった点を慰謝料算定にあたり
考慮していますが、もっとも重視した点は、赤信号無視という
悪質さだと考えられます。

裁判例2           名古屋地裁平成4年1月31日判決

当時の慰謝料の基準      2400万円
増額慰謝料額         2600万円(200万円アップ!)

どのような事故だったか?

被害者は38才男性、妻を亡くし子供2人(13才と10才)と両親との
5人暮らしでした。

被害者は、事故の5年ほど前から軽四トラック1台を保有し、このトラックで
軽急便の運送業を営んでいました。 

事故は、未明に起きました。被害者は、軽四トラックを運転し青信号に従って
右折していましたが、赤信号無視の加害者運転の車両に衝突され、死亡しました。

裁判所が慰謝料を増額した理由のポイント

① 赤信号無視という一方的過失
② 被害者の年齢や家族構成
  
解説

本件も、信号無視が原因の死亡事故です。
被害者は、妻を亡くして、13才と10才の子供、両親との5人暮らしだという
ことですから、一家の大黒柱として生計を支えていたのでしょう。

家族は、彼を精神的にも経済的にも頼りにしていたことでしょう。

その彼を突然の事故で亡くしてしまったご遺族の悲しみはどれほどものでしょうか、
特に母親だけでなく父親も亡くしてしまった子供達の悲しみは、察するに余りあります。

加害者が信号さえ守っていれば、このような悲惨な事故は起きませんでした。

判決も、慰謝料算定にあたり、赤信号無視による一方的過失であるという点をまず指摘し、
この点を重視しています。




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