裁判例⑪

裁判例⑪大阪地判平成17年4月13日(自保ジャーナル第1594号)
年齢: 38歳(事故時)
性別 :男子
傷害内容: 頭蓋骨骨折、くも膜下出血等
自賠責等級: 高次脳機能障害3級3号
被害者側の状況: 予測能力や理解能力の不足、意思疎通能力の不足、
易怒性、時折異常行動をとる
介護内容: 随時の看視
認定された介護費用: 近親者日額2000円

【上記認定に至った理由】
裁判所は、原告は、日常生活は概ね自立しているということができるが、
他方で、場面に応じて指示をしなければ、身なりや洗髪・着替え等の衛生維持、
危険回避等ができず、スーパーで怒鳴ったり、試食品を食べ続ける等の
異常行動も見られ、息子に暴力を振るったり、マッチの火を点けて見せる
などの危険行動もする場面があるというのであり、日常生活を営む上でも、
常時の介護までは必要ではないものの、随時、ある程度の間隔を置いて、
定期的に看視することが必要であるとして、近親者日額2000円で
算定した。

【本裁判例の特徴】
本裁判例は、原告が日常生活は概ね自立できることを理由に常時介護は
必要ないとしつつも日常生活を適切に営むことができない場面、異常行動、
危険行動があることから随時の看視は必要であるとした。

なお、この裁判例は、自賠責の後遺障害等級3級における介護の要否に
ついてもなお書きで見解を述べており、「自賠責の後遺障害認定において、
3級の認定においては、随時看視までは必要がないとの考えが示されているが、
高次脳機能障害の場合には、その障害のありようが非常に複雑な様相を
呈するために、日常生活行動能力の自立の問題と本人の自発性に基づく
自立性の問題とは次元を異にし、必ずしも合致しない場面が多く見られると
考えられるし、日常生活として健康で文化的な最低限度の生活を維持する上で
衛生や危険回避等について一定の配慮を要する場合が多々あり得ると考える
余地がある。

また、高次脳機能障害の複雑さに鑑みれば、指示の下に軽作業として就労が
可能であることと、日常生活として複雑高度な判断を迫られる場面においては
これができないということは互いに矛盾せず両立すると考える余地がある。

そうすると、ある程度の間隔を置いて、近親者が自宅に待機して不都合が
生じてきた場合などには指示や看視をしなければなら」ないとして、
介護・看視の必要性について、3級であるから必要性はないと形式的に
判断するのではなく、高次脳機能障害の特殊性から実質的に判断すべきと
して一定の方向を示している。




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