問題の所在

自動車損害賠償保障法施行令2条別表第1(以下「別表」。)においては、
介護を要する後遺障害として、1級1号「神経系統の機能又は精神に著しい
障害を残し、常に介護を要するもの」同2号「胸腹部臓器の機能に著しい障害を
残し、常に介護を要するもの」、2級1号「神経系統の機能又は精神に著しい
障害を残し、随時介護を要するもの」同2号「胸腹部臓器の機能に著しい障害を
残し、随時介護を要するもの」が挙げられている。ここで、高次脳機能障害は
1級1号と2級1号に該当し、1級と2級とは、その表現からも明らかなように、
要介護の程度が「常時」であるか、「随時」であるかによって区別されている。

そして、3級3号においても、1級1号及び2級1号と同様に「神経系統の
機能又は精神に著しい障害を残し」という要件が挙げられているものの、
「介護」という単語は出てこず、代わりに「終身労務に服することができない」
という要件があがっている。また、3級以下の他の後遺障害等級においても、
「介護を要する」という要件は一切出てこない。

このような別表の記載に照らすと、1級及び2級と3級以下とでは、
「介護」の要否がメルクマールとなっているといえる。そして、1級及び
2級においては、介護が必要とされていることから損害として介護費用が
一般的に認められている。

もっとも、裁判例を検討すると介護が要件とされていない3級以下であっても
介護を要するとして介護費用(看視費用)が認められているものがある。

そこで、以下では、3級以下の高次脳機能障害が認定されたもので介護費用を
争った裁判例を挙げて、いかなる条件のもとで介護が必要とされ介護費用が
認められるのかを検討する。




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