胸骨変形

ア 胸骨の機能
胸骨は,胸骨柄,胸骨体,剣状突起からなる。
肋骨,胸椎と相俟って胸郭を構成し,胸郭は心臓等臓器を保護している。

イ 裁判例

(ア)労働能力喪失を肯定した裁判例
裁判例? 大阪地判平成3年5月21日(交民集24巻3号585頁)
年齢 固定時40歳
性別 女性
職業 スナック経営者
原告の主張する傷害の内容 頭部外傷Ⅰ型、右後頭部挫滅創、胸骨骨折、
縦隔内出血、両側血胸、左第1指挫創、左手打撲、頭部・胸部・腹部挫傷、頸椎捻挫
自賠責等級 併合10級(①胸骨変形12級5号,②脊柱変形11級7号)
喪失率27%
裁判所認定等級等 併合10級
喪失率27%、喪失期間27年間(67歳まで)

【本裁判例の分析】
(1)裁判所は,胸部及び腰部に痛みがあり,原告は居酒屋を始めたものの、
胸部と腰部が痛くて重い物は持てず、また、肩凝りや手が痺れるといった症状が
続いていることことを認定した上で,原告の胸骨及び腰椎には変形癒合が認められ、
それが痛みの原因となっているところ、原告の年齢を考慮に入れると、その症状が将来
改善する見込みはあまり望めず、かえって悪化する可能性もあること等に照らすと、原告は、
その症状固定とされた日から就労可能な67歳までの27年間にわたり、労働能力を
併合10級どおりの27%喪失したものと認定した。

(2)本裁判例は,胸骨の変形自体ではなく,変形により痛みが生じていることを
理由として喪失率表どおりの喪失率を認めた。

(イ)労働能力喪失を否定した裁判例

否定した裁判例は見当たらなかった。

ウ まとめ
裁判例は少ないものの,肯定した裁判例?が理由として挙げているように,
胸骨変形によりどのような症状が生じており,就労にどのように影響しているかが
労働能力喪失の有無及び喪失率の判断において重要であるといえる。




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