変形障害の等級認定基準について

ア 等級
前述のように,変形の程度に応じて等級に差が設けられており,変形の程度が
大きいものから順に,後遺障害別等級表別表第2第6級5号,同第8級相当,
同11級7号となっている(以下の表を参照)。

後遺障害別等級表(平成18年4月1日以降に発生した事故に適用する表)
別表第2
等級 号数 内容(変形の程度)
第6級 5号 脊柱に著しい変形を残すもの
第8級 相当 脊柱に中程度の変形を残すもの
第11級 7号 脊柱に変形を残すもの
 
イ 要件及び測定方法
「脊柱に著しい変形を残すもの」及び「脊柱に中程度の変形を残すもの」は、
脊柱の後彎又は側彎の程度等により等級を認定する。この場合、せき柱の後彎の程度は、
せき椎圧迫骨折、脱臼等(以下、「せき椎圧迫骨折等」という。)により前方椎体高が
減少した場合に、減少した前方椎体高と当該椎体の後方椎体高の高さを
比較することにより判定する。また、せき柱の側彎は、コブ法による側彎度で判定する。

なお、後彎又は側彎が頸椎から胸腰部にまたがって生じている場合には、
頸椎と胸腰椎とでわけて考えるのではなく、後彎については、前方椎体高が減少した
すべてのせき椎の前方椎体高の減少の程度により、また、側彎については、その全体の
角度により判定する。

(注)コブ法とは、下図のとおり、エックス線写真により、せき柱のカーブの頭側及び
尾側においてそれぞれ水平面から最も傾いているせき椎を求め、頭側で最も傾いている
せき椎の椎体上縁の延長線と尾側で最も傾いているせき椎の椎体の下縁の延長線が
交わる角度(側彎度)を測定する方法である。

変形障害の表

等級6級5号
後彎の程度
椎体高減少椎体個数: 2個以上
後彎の発生 :必要
前方椎体高の減少の程度
著しい減少が必要。
著しい減少とは,減少したすべての椎体の後方椎体高の合計との差が,
減少した椎体の後方椎体高の1個当たりの高さ以上を示す  
備考:後記ウ(ア)

等級6級5号
椎体高減少椎体個数: 1個以上
後彎の発生:必要
前方椎体高の減少の程度
減少したすべての椎体の後方椎体高の合計との差が,減少した椎体の後方椎体高の
1個当たりの高さの50%以上
コブ法によって測定された側彎度 : 50°以上
備考:後記ウ(イ)

等級8級相当
椎体高減少椎体個数: 1個以上
後彎の発生:必要
前方椎体高の減少の程度
減少したすべての椎体の後方椎体高の合計との差が,減少した椎体の後方椎体高の
1個当たりの高さの50%以上
備考:後記エ(ア)
椎体高減少椎体個数:なし
後彎の発生:不要
前方椎体高の減少の程度
程度は問わず
コブ法によって測定された側彎度 :50°以上
備考:後記エ(イ)

等級8級相当
前方椎体高の減少の程度
環椎又は軸椎の変形・固定(環椎と軸椎との固定術が行われた場合を含む。)により,
次のいずれかに該当するもの。このうち,(a)及び(b)については,軸椎以下のせき柱を
可動させずに(当該被災者にとっての自然な肢位で),回旋位又は屈曲・伸展位の
角度を測定する。

(a)60度以上の回旋位となっているもの
(b)50度以上の屈曲位又は60度以上の伸展位となっているもの
(c)側屈位となっており,エックス線写真等により,矯正位の頭蓋底部の両端を結んだ線と
軸椎下面との平行線が交わる角度が30度以上の斜位となっていることが確認できるもの

備考:後記エ(ウ)

等級11級7号
前方椎体高の減少の程度
せき椎圧迫骨折等を残しており,そのことがエックス線写真等により確認できるもの
備考: 後記オ(ア)

等級11級7号
前方椎体高の減少の程度
せき椎固定術が行われたもの(移植した骨がいずれかのせき椎に吸収されたものを除く。)
備考: 後記オ(イ)

等級11級7号
前方椎体高の減少の程度
3個以上のせき椎について,椎弓切除術等の椎弓形成術を受けたもの
備考: 後記オ(ウ)
ウ. 「せき柱に著しい変形を残すもの」とは、エックス線写真、CT画像又は
MRI画像(以下「エックス線写真等」という。)により、せき椎圧迫骨折等を確認することが
できる場合であって、次のいずれかに該当するものをいう。

(ア)せき椎圧迫骨折等により2個以上の椎体の前方椎体高が著しく減少し、
後彎が生じているもの。この場合、「前方椎体高が著しく減少」したとは、減少したすべての
椎体の後方椎体高の合計と減少後の前方椎体高の合計との差が、減少した椎体の後方椎体高の
1個当たりの高さ以上であるものをいう。

(例)3個の椎体の前方椎体高が減少した場合で、この3個の椎体の後方椎体高の合計が
12センチメートル、減少後の前方椎体高の合計が7センチメートルであるときは、
両者の差である5センチメートルが、 3個の椎体の後方椎体高の1個当たりの高さである
4センチメートル以上となっているので、第6級の5に該当する。

(イ)せき椎圧迫骨折等により1個以上の椎体の前方椎体高が減少し、後彎が生ずるとともに、
コブ法による側彎度が50度以上となっているもの。この場合、「前方椎体高が減少」したとは、
減少したすべての椎体の後方椎体高の合計と減少後の前方椎体高の合計との差が、
減少した椎体の後方椎体高の1個当たりの高さの50%以上であるものをいう。

(例)2個の椎体の前方椎体高が減少した場合で、この2個の椎体の後方椎体高の合計が
8センチメートル、減少後の前方椎体高の合計が5.5センチメートルであるときは、
両者の差である2.5センチメートルが、 2個の椎体の後方椎体高の1個当たりの高さの
50%である2センチメートル以上となっているので、コブ法による側彎度が50度以上の
側彎を伴うものは、6級5号に該当する。

エ. 「せき柱に中程度の変形を残すもの」とは、エックス線写真等によりせき椎圧迫骨折等を
確認することができる場合であって、次のいずれかに該当するものをいう。

(ア)上記ウの(イ)に該当する後彎が生じているもの
(イ)コブ法による側彎度が50度以上であるもの
(ウ)環椎又は軸椎の変形・固定(環椎と軸椎との固定術が行われた場合を含む。)により、
次のいずれかに該当するもの。このうち、a及びbについては、軸椎以下のせき柱を
可動させずに(当該被災者にとっての自然な肢位で)、
回旋位又は屈曲・伸展位の角度を測定する。

a. 60度以上の回旋位となっているもの
b. 50度以上の屈曲位又は60度以上の伸展位となっているもの
c. 側屈位となっており、エックス線写真等により、矯正位の頭蓋底部の両端を結んだ線と
軸椎下面との平行線が交わる角度が30度以上の斜位となっていることが確認できるもの

(注)環椎又は軸椎は、頸椎全体による可動範囲の相当の割合を担っている。
そのため、環椎又は軸椎がせき椎圧迫骨折等により変形して固定となり、
又は環椎と軸椎との固定術が行われたために、環椎又は軸椎の可動性が
ほとんど失われると、頸椎全体の可動範囲も大きく制限され、
上記に該当する変形・固定となると、せき柱の運動障害(第8級2号)にも
該当するケースがほとんどである。

なお、環椎又は軸椎が変形・固定していることについては、最大矯正位の
エックス線写真等で最もよく確認できる。

オ. 「せき柱に変形を残すもの」とは、次のいずれかに該当するものをいう。

(ア)せき椎圧迫骨折等を残しており、そのことがエックス線写真等により確認できるもの
(イ)せき椎固定術が行われたもの(移植した骨がいずれかのせき椎に吸収されたものを除く。)
(ウ)3個以上のせき椎について、椎弓切除術等の椎弓形成術を受けたもの




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