裁判例

裁判例⑩ 東京地判平成22年1月19日 自保ジャーナル1837号
年齢 37歳(症状固定時)
性別 男子
職業 上場企業会社員
傷病名 右橈骨遠位骨折、右尺骨茎状突起骨折等
自賠責認定等級(喪失率) 12級8号(14%)
本判決認定喪失率 7%
喪失期間 37歳から67歳まで30年間

事案の概要  
本裁判例は、原告の年収が、事故前年度の平成16年が868万5187円、
平成17年が902万7112円、症状固定した平成18年が872万0764円、平成19年が891万2000円で
あった事案において、原告の減収が僅かにとどまっているのは、原告の努力や周囲の
協力によるものとして、原告が後遺障害等級12級の労働能力喪失率14%を主張した事案である。

裁判所の判断 裁判所は、原告の後遺障害について、右尺骨茎状突起骨折の影響で同部に
偽関節が認められることを理由に、「長管骨に変形を残すもの」として、その疼痛も含めて、
後遺障害等級12級8号に該当するとし、原告は、本件事故後、仕事に多少の支障があったこと、
それを同僚のサポート等を得ていたが、仕事内容が変更されたこと等を認定しつつ、
事故前の平成16年の年収と比較すると収入の減収は認められず、平成17年と比較しても
その額はそれほど多額とはいえない上、景気等の影響もあること、そして、
原告には偽関節があり、器質的な変形はあること、原告には疼痛も認められること、
ただし疼痛に関しては改善の可能性が指摘されていることなどを併せ考えると、
労働能力の喪失は認められるものの、その労働能力喪失率は7%とし、
その労働能力喪失期間としては、労働可能年齢の67歳まで30年間とした事案である。

裁判例の分析
上肢の変形障害は、下肢の変形障害ほど事例が多くないためその傾向はつかみにくいが、
下肢の変形障害に比較すると実際の労働能力に与える影響が低い場合が多く、
労働能力喪失率の判断にあたっては、現実の減収の有無、減収がない場合には減収を
防ぐための原告の努力や周囲の協力等の内容も重要になっていると思われる。




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