比較的長期の喪失期間が認定された裁判例

【裁判例40】東京地裁平成12年3月15日(交民33・2・541)
結論 39年間(28歳から67歳まで)
年齢 事故時27歳、固定時28歳
性別 男性
職業 成型工
自賠責等級 不明
裁判所認定等級等
12級12号
喪失率14%
素因減額3割減

【理由】
原告には、頸部捻挫による右小指、環指から前腕尺側の知覚鈍麻、第4、第5腰椎間の
椎間板ヘルニアの増悪による右仙腸関節部の痛み、右上臀部の痛みが残ったことが
認められる。これは12級12号に該当する。

その後遺障害の内容からすると、労働能力喪失率は14%、就労可能年数39年として
逸失利益の現価を算定するのが相当である。

【裁判例41】岡山地裁平成5年4月23日(交民26・2・521)
結論 8年間(59歳から67歳まで)
年齢 事故時、固定時59歳
性別 男性
職業 タクシー運転手
自賠責等級 神経非該当。耳鳴りや難聴で14級。
裁判所認定等級等 喪失率14%

【理由】
原告は、外傷性頸部症候群、両耳鳴り、両感音性難聴、外傷後神経症等の症状について、
入通院して治療を受け、特に耳鳴りに関しては開頭手術まで受けたが、軽度の左耳鳴り、
難聴、第4、第5腰椎骨棘形成、頭重感、首筋痛等の症状が残り、症状固定の診断を受け、
自賠責後遺障害等級の事前認定を受けたところ、当初自賠責後遺障害の適用には達しない
として非該当とされた後、異議申立後、原告には神経学的な他覚所見は認められないものの、
自覚症状としての外傷性頸部症候群による左耳鳴り、難聴が同等級14級に
該当するものとされた。

原告は、本件事故以前は通常の健康体で、特段の持病もなく、タクシー運転手としての
勤務に何等差支えはなかった。
しかし、本件事故による傷害の治療のため長期間の入通院の後、一旦職場に復帰したものの、
従前のとおり働くことができず、現在では、左耳に虫が入っているような静かな場所では
気になる程度の小さい耳鳴りが常時継続し、幾分左耳が聞こえにくい感じで、疲労時や
悪天候時に頭重感、首筋の痛みや肩凝り等があり、従前タクシー運転手として昼夜通常に
勤務できていたのに、肩凝り、目の疲れ、腰痛等が出やすく、夜間の勤務に耐えられない
状態となっており、事故当時の勤務先タクシー会社を退職して、別会社で夜間勤務のない
アルバイトの運転手として稼働している。

上記認定事実に加え、原告の後遺障害の内容程度、年齢、職種、その後の転職や勤務支障の
状況等を総合考慮すると、原告は、本件事故の後遺障害により少なくともその主張にかかる
14%程度の労働能力を喪失し、その期間は症状固定時(59歳)から8年間にわたる
ものと認めるのが相当である。

【裁判例42】大阪地裁平成18年9月27日(自保ジャーナル1679)
結論 10年間
年齢 事故時33歳、固定時35歳
性別 女性
職業 会社員
自賠責等級 不明
裁判所認定等級等
14級10号
喪失率5%

【理由】
 本件事故により、原告が被った後遺障害は、左上肢の疼痛、運動困難、肩甲骨部の疼痛、
左右の握力低下、めまい、嘔気等であり、障害の内容及び程度を考慮するならば、
14級に該当し、労働能力喪失率は5%、喪失期間は10年間と認めるのが相当である。

※本件で10年に限定されている理由は、症状のうちのいくつかが改善された点を
考慮したものと思われる。

【裁判例43】大阪地裁平成18年7月14日(交民39・4・972)
結論 10年間
年齢 固定時31歳
性別 男性
職業 給与所得者
自賠責等級 14級10号
裁判所認定等級等
14級10号
喪失率5%

【理由】
原告は初診時から左下腿の感覚異常を訴えていること、原告の後遺障害は腓骨神経麻痺で、
左膝下の感覚に異常があり、運動筋力が0と診断されているが、筋電図の検査によっても
異常は認められず、左下腿の筋萎縮の所見も表われておらず、主治医も原因については
不明と判断していること、頚椎捻挫及び腰部打撲の傷害を負い、症状固定時にも頚部痛と
腰痛とを訴えていることが認められるところ、これらの事実によれば、左下腿感覚異常、
頚部痛及び腰痛について、それぞれ、局部に神経症状を残すものとして14級の後遺障害を
負ったものと解するのが相当である。

したがって、原告は本件事故で負った後遺障害により労働能力を5%喪失したと解するのが
相当であるが、左下腿の自動運動ができないという状態に鑑みれば、喪失期間は10年と
認めるのが相当である。




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