【裁判例33-34】

【裁判例33】東京地裁平成16年4月14日(交民37・2・506)
結論 6割減額。
年齢 固定時57歳
性別 男性
職業 会社員
自賠責等級 14級10号
裁判所認定等級等
12級12号
喪失期間は67歳までの10年間。
喪失率14%

【理由】
原告は、本件事故による受傷の程度に比して、重い症状を呈し、治療期間も長期に及んでいる。
原告の症状固定時期は、本件事故から3か月後が相当であるが、原告の障害の程度及び
受傷直後の症状であれば、通院加療のみで治癒が期待されるのであって、本件事故から
約1か月後に47日間にも及ぶ入院加療を要したのは、原告の既往症が影響しているからである。

そして、現在の原告の後遺障害は、原告の受傷によるものではあるとはいえるものの、
既往症である変形性頸椎症が発症ないし増悪したものと考えられ、そのために12級12号に
相当する程度の後遺障害を残すに至ったものである。

また、原告が自ら提出する医師の意見書によっても、「原告については、素因の関与の方が
相対的に大きいと考え、素因の寄与率を60%~70%程度と考えるのも一案である。」
とされている。

これら原告の受傷の内容、症状、治療経過、後遺障害の程度に加え、前記既往症の症状や
治療経過等に鑑みれば、原告の損害は、本件事故が寄与する割合よりも、事故以外の
要因である既往症が寄与する割合の方が大きいと見ざるを得ず、そのため、本件事故に
よって通常生ずべき損害の範囲、程度を超えて被告の損害が拡大したものというべきである。
そのような場合には損害の公平な分担という損害賠償法の理念に照らして、民法722条を
類推適用し、本件事故と因果関係のある損害から6割を減額するのが相当である。

【裁判例34】大阪地裁平成10年10月13日(交民31・5・1515)
結論 減額しない。
年齢 事故時55歳
性別 男性
職業 和菓子店経営者
自賠責等級 不明
裁判所認定等級等
14級10号
喪失期間3年間。
喪失率5%
【理由】
原告は、

①本件事故当時、特に支障なく和菓子の製造の仕事をしていたこと、
②X線検査上原告には第4ないし第6頸椎に変形があり、その間の狭小化が認められること、
③一般に右部位には経年性の変形・狭小化が起こることが多いが、これがあっても必ずしも
直ちに症状として発現するというわけではないこと、
④中心性脊髄損傷は一般の脊髄損傷と比較し、予後も良好であること、
⑤原告には頸椎の脱臼や骨折等はないこと、
⑥原告がしびれを訴える部位が上肢であること

等の認定事実を総合すると、本件事故によって一挙に頸椎第4、5、6の変形及びこれらの
椎間の狭小化が生じたとみるのは合理的ではなく、原告には本件事故前から頸椎第4、5、6の
変形及びこれらの椎間の狭小化があったところ、その脆弱な部位に本件事故による衝撃が
加わったことにより、同部位付近の神経根に圧迫ないし刺激が加わったか、あるいは脊髄の
中心部の神経繊維の過伸展損傷が起こり、このため、上肢のしびれ感を来たしたものと考える。

そして、原告の症状発生の原因について上記のとおり説明できることに加え、原告の症状の
程度及び治療経過を併せ考えると、その後遺障害は14級10号に該当すると考える。

なお、頸椎の変形・狭小化が年齢不相当に進行したものと認めるに足りる証拠はないところ、
加齢に通常伴う程度の変性は個体差として当然にその存在が予定されているものであって、
これを損害賠償の額を定めるにつき斟酌することは相当ではないから、本件においていわゆる
素因減額を行うのは相当ではない。




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