【裁判例31-32】

【裁判例31】大阪地裁平成10年5月26日(交民31・3・744)
結論 減額しない。
年齢 事故時63歳、固定時63歳
性別 男性
職業 会社員
自賠責等級 14級10号
裁判所認定等級等
12級12号
喪失期間9年間
喪失率14%

【理由】
1 後遺障害
X線検査上原告には加齢による第5・第6頸椎間の狭小化が認められること、原告が
痛みを訴える部位が頸部から右肩部、右上腕であること(なお、第4ないし第8頸髄神経が
肩部・上腕部の皮膚知覚や肩関節の運動に関わる骨格筋をその支配領域に含むことは
当裁判所に顕著である。)、右肩部に前記のような運動制限があること、右肩部に
筋萎縮があること等の認定事実を総合すると、原告には本件事故前から加齢による
第5・第6頸椎間の狭小化があったところ、右脆弱な部位に本件事故による衝撃が
加わったことにより、右部位付近(第4/第5、第5/第6、第6/第7)の神経根に
圧迫ないし刺激が加わり、このため、頸部から右肩部にわたる疼痛を来たし、頸部の疼痛を
原因として頸部の運動制限を生じ、また、右肩部の疼痛に由来する廃用性の関節拘縮による
右肩の運動制限が生じたものと認められる。そして、原告の症状の程度(特に右肩関節の
運動制限の程度)や治療経過を併せ考えると、原告の症状は12級12号と考えるべきである。

2 素因減額
第5・第6頸椎間の狭小化という体質的素因及び原告の心因を理由に素因減額をするか
どうかについては、第5・第6頸椎間の狭小化は年齢相当のものであり、加齢に通常伴う
程度の変性は当然にその存在が予定されているものであるから、素因減額すべきでない。
また、原告の症状に心因が作用しているとうかがわせる事実を認めるに足りる証拠は
ないのでやはり素因減額すべきでない。

【裁判例32】神戸地裁平成10年10月8日(交民31・5・1488)
結論 15%減額。
年齢 事故時61歳
性別 男性
職業 飲食店経営者
自賠責等級 14級10号
裁判所認定等級等
固定後2年半は喪失率27%
その後3年間は12級12号前提の喪失率14%

【理由】
原告にはかねて第5、6頸椎間の狭小があり、これは外傷によって生ずるものではないから、
原告には以前から変形性頸推症が存在したものと認められるところ、本件事故による
頸部捻挫の症状は、この既往症が顕在化した側面を有すると認められる。また、原告の入院中、
その訴える不定愁訴については、抗うつ剤を投与したところ効果があった、とされており、
原告の訴える症状には、心因的なものが関与していたことが窺える。

そうであれば、こうした既往症や、心因的な要因の寄与を考慮して、公平の観点から
過失相殺の法理を類推適用して、原告が本件事故で被った損害のうち、15%程度を、
同原告に負担させることとして、減殺するのが相当である。




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