【裁判例25-27】

【裁判例25】大阪地裁平成8年10月31日(交民29・5・1604)
結論 8割減額
年齢 事故時37歳
性別 男性
職業 鉄筋工
自賠責等級 不明
裁判所認定等級等
12級12号
喪失期間20年間
喪失率14%

【理由】
原告は、本件事故により外傷性頸部・腰部症候群等の傷害を負った。
しかしながら、本件事故態様は、被告車が時速約40~50キロメートルの速度で停止中の
原告車に衝突したものであるが、被告のブレーキにより被告車の後輪が右側に滑って被告車の
荷台の最後尾右側が原告車の右前側面に衝突し、原告車が移動しなかった(移動したとしても
わずかな程度)というものであり、原告車・被告車の損傷状況、原告車乗務員の受傷内容等を
照らしても、原告を含む乗務員らに与えた衝撃は、衝突速度に比してあまり大きなものではなく、
特に原告は、衝突時において、シートベルトを着用し、衝突が起こることを意識して身構えて
いた可能性が高いことからすれば、原告が受けた本件事故による衝撃はさほどではなかったものと
推認できること、腰椎椎間板ヘルニア及び右へルニアに起因すると思われる右根性坐骨神経痛に
ついては、右事故態様並びにへルニアの症状及びその発現の経過等に照らせば、もともと
本件事故前に原告が持っていたへルニアの要因が本件事故を機転としてへルニアの症状を
顕在化させ、右下肢しびれ、痛み等の症状を発現させたものとみるのが相当であり、
その限度で相当因果関係が認められる。

原告の前記した後遺障害の症状(特に杖歩行が必要な程度の右下肢痛み)は、
MRI検査によるへルニアの所見等他覚的症状が認められるから、等級表12級12号に
該当するものというべきであるが、前記のとおり、その後遺障害の症状は、原告が
本件事故前から持っていた体質的素因が大きく影響していると認められるから、
8割の寄与度減額を認めるのが相当である。

【裁判例26】東京地裁平成10年2月26日(交民31・1・262)
結論 5割減額
年齢 事故時63歳、固定時64歳
性別 男性
職業 個人タクシー運転手
自賠責等級 非該当
裁判所認定等級等
12級12号
喪失期間8年間(平均余命の半分)
喪失率14%

【理由】
原告は、本件事故後、右手及び右足の知覚鈍麻、両上肢の巧緻級性の軽度の障害などが
残存したが、これらはいずれも本件事故と相当因果関係がある後遺障害と認められ、
その等級は12級12号に該当し、労働能力の14%を喪失したものと認めるのが相当である。

この事故後の症状は脊髄の圧迫を原因とする神経症状であるところ、原告は事故の
数年前から右手右足のしびれ等を訴えて通院していたこと、これらの既往症は一部軽減
したことはあるが頸椎の変性が依然として残っていたことに照らせば、素因減額50%と
すべきである。

【裁判例27】大阪地裁平成15年10月3日(自保1542・12)
結論 35%減額
年齢 事故時34歳、固定時36歳
性別 男性
職業 理容師
自賠責等級 不明
裁判所認定等級等
12級12号
喪失期間5年間
喪失率14%
【理由】
本件事故による衝撃は非常に軽微ではあるが、転倒の際、右半身になって右手を後方に
付いたところに、車両が迫ったため、無理な姿勢となって頚部の伸展があったものと
認められるとともに、原告には、本件事故以前頚部の異常は認められなかったが、
本件事故翌日の診察以降、右肩部、項頚部や腰部に圧痛及び筋緊張、両上肢の腱反射の
亢進がみられ、MRI検査の結果では、C4/5椎間板ヘルニアと診断されたことが認められ、
他方、上記椎間板ヘルニアは、突出に至らず、膨隆の程度も比較的軽度であり、C3/4にも
膨隆が認められ、変性所見は複数であること、X線検査の結果ではC4/5に椎間腔の
狭小化が存在することが認められる。

以上の事実によれば、C4/5椎間板ヘルニアは本件事故時の衝撃のみで発症したものとは
認められず、本件事故以前から無症状で存在した椎間板膨隆が、本件事故が機転となって、
症状が発症したものと認めるのが相当であって、その意味において、本件事故と原告の
4/5椎間板ヘルニアとの因果関係を肯定できる。

そして、その後遺障害の程度は12級12号と考える。

もっとも、C4/5椎間板ヘルニアが本件事故のみによって発症したものとは言えないこと、
原告の主訴には、必ずしも、C4/5椎間板ヘルニアによって説明できない症状も含まれて
いることをも勘案すると、原告の損害については、35%の素因減額を行うのが相当である。




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