骨折周辺部分の神経症状についての裁判例

XP、CT、MRIといった画像上の異常所見(骨折後の変形癒合等の異常)があり、
その範囲と痛みの発生箇所(自覚症状)が整合する場合には12級が認定されることが多い。
画像による所見があるので、明確に神経症状の医学的証明ができるからだと思われる。

【裁判例20】東京地裁平成9年4月22日(交民30巻2号559頁)
年齢 事故時20歳、固定時23歳
性別 男性
職業 大学生
自賠責等級 不明
裁判所認定等級等
神経12級12号、股関節用廃8級7号で併合7級
喪失期間23歳から67歳までの44年間
喪失率56%(7級相当)

【理由】
原告は、本件事故により右膝部分に骨折等の広範な傷害を受け、植皮術、関節授動術等の
手術を複数回受けていることが認められているほか、現在も自覚症状として、
右膝の不安定性を訴え、さらに関節機能障害も残存していることが認められ、
医学的に証明し得る神経症状があるというべきであるから、上記神経症状は、
12級12号に該当する(なお、MMTが神経障害を判断すべき唯一の方法ではないから、
同結果の如何が右認定を左右するものではない。)。

【裁判例21】大阪地裁平成13年7月12日(交民34巻4号894頁)
年齢 事故時33歳、固定時35歳
性別 男性
職業 現業会社員
自賠責等級 12級12号
裁判所認定等級等
12級12号
喪失期間35歳から67歳までの32年間
喪失率は当初の5年間14%、その後15年間10%、残り12年間7%

【理由】
原告は、本件事故で上腕骨頭部及び大結節部を粉砕骨折し、原告の右上腕骨頭部は、
骨幹部が骨頭に対し外反位で癒合し、大結節部は外側に突出した形で変形して癒合したこと、
そのため右肩関節の可動域は外転80度で大結節と肩峰が衝突することによる外転制限が
残ったため、健常な肩峰下面を削る肩峰形成を主とした関節形成術が施行され、
原告の肩峰は可動域を得るため非常に薄くなっており、上腕骨の変形自体は残存していること、
上記関節形成術を施行した結果、肩関節の可動域は回復したが、肩峰下腔の狭小が原因と
考えられる疼痛が残存していること、外転位で90度まで右腕を上げると必ず疼痛があり、
通常の生活を送っていても肩に炎症を起こすことが度々あること、原告は、主治医から、
重い物を持ち上げる等の行為や右肩に体重が掛かるような側臥位で就寝しないよう注意されており、
また、主治医は、健常人に比べ加齢とともに腱板断裂が発症しやすい状態であると
指摘していることの各事実が認められる。

原告には、肩峰下腔の狭小が原因と考えられる疼痛が残存しており、これは医学的に
証明される局部の頑固な神経症状と評価することができるから、原告の右上肢の後遺障害
については12級12号に該当する。




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