ヘルニアの発症が肯定された裁判例

XP、CT、MRIといった画像上の異常所見があり、その異常所見と自覚症状とが
整合する場合には、後遺障害が肯定され、その場合、画像上の所見があるため12級に
なる傾向がある。ヘルニアの場合は、事故による衝撃が相当程度あるかどうかを
検討されることも多い。

【裁判例17】大阪地裁平成10年1月29日(交民31巻1号130頁)
年齢 事故時40歳、固定時43歳
性別 女性
職業 主婦兼パート
自賠責等級 14級10号
裁判所認定等級等
12級12号
喪失期間4年間
喪失率14%

【理由】
自覚的には、頸部痛、腰部痛があり、他覚症状及び検査結果としては、
神経学的には右第6、第7頸椎神経領域の知覚鈍麻があり、MRIにて第5、第6頸椎間の
椎間板ヘルニア軽度があり、X-P上第5、第6頸椎に後方骨棘があることから、
12級12号に該当する。

この点、被告らは、頸椎椎間板ヘルニアは本件事故によって生じたものではないなどと
主張する。しかしながら、本件事故前には原告は特に支障を感ずることなく化粧品の荷詰の
仕事に従事していたこと、原告は本件事故により転倒して路面に頭部等を打ったものである
こと等前認定事実に照らすと、原告の症状は経年性の頸椎椎間板変性に本件事故の影響が
加わって生じたものとみるべきであるから、被告らの上記主張を採用することはできない。

また、被告らは、原告の後遺障害は14級10号(局部に神経症状を残すもの)を越える
ものではないと主張するが、原告には椎間板ヘルニアが認められること、両上肢のしびれと
痛みはこれを原因とするものであること、両上肢のしびれと痛みが長期にわたって
持続していることに照らすと、被告らの上記主張も採用することはできない。

【裁判例18】神戸地裁平成13年12月5日(交民34巻6号1576頁)
年齢 事故時42歳
性別 女性
職業 兼業主婦
自賠責等級 14級
裁判所認定等級等
14級
喪失期間3年間
喪失率7%

【理由】
原告は、左肩、左臀部打撲、背部打撲の傷害を負い、左肩のしびれ、腰痛、左臀部痛み、
左上肢麻痺を訴えだし、その後、両下肢のしびれや知覚障害を訴え、その症状が回復しない
状態だったのでMRI検査を受診し、腰椎椎間板ヘルニアであるとの診断を受けた。

原告は、本件事故までは、腰椎椎間板ヘルニアと診断されたことはなく、また、
そのような症状も出ていなかった。
以上の診断内容に加え事故態様を併せ考えると、原告は本件事故の際、転倒するのを
防ぐために、両手を伸ばして被害車両のハンドルを握り、両足を踏ん張ったために、
被害車の転倒は免れたが、体全体をねじったことにより、左肩打撲、左臀部打撲、
背部打撲の傷害を受け、さらに、腰椎椎間板ヘルニアが発生したというべきである。

【裁判例19】名古屋地裁平成11年4月23日(交民32・2・666)
年齢 不明
性別 女性
職業 1人で工事、清掃会社経営
自賠責等級 不明
裁判所認定等級等
12級12号
喪失期間5年間
喪失率14%

【理由】
入院時の被害者の訴えは腰痛、左下肢痛、左下肢筋力低下であり、独歩は可能であるが
ゆっくりでないと歩けず、起立するまでに時間がかかる状態であった。

諸検査の結果、第5腰椎と第1仙椎の間の椎間板に骨棘あるいは骨殻があり、
同所に神経根及び硬膜の圧迫が見られ、ヘルニアの存在は明らかではないものの
同椎間板の不安定性もみられたことから同所の外傷性腰椎椎間板ヘルニアと診断された。
入院後は複数の腰椎間の異常が伺われる医師の所見があったが、最終的には第5腰椎と
第1仙椎間の椎間板障害による左の第1仙椎神経根障害と診断され、いったん退院して
調子が悪ければ手術を行うとの判断の下に退院した。その後、症状固定と診断されている。

以上の事実に照らし12級12号に該当すると考える。




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