神経根付近の圧迫が肯定された裁判例

以下、12級、14級、非該当が争われることが多い、むちうちについての裁判例を検討する。

ア 神経根付近の圧迫が肯定された裁判例

XP、CT、MRIといった画像上、神経根付近の圧迫が認められ、かつ、自覚症状
(痛みの発生箇所)との整合性がある場合には後遺障害として認められ、その場合、
画像上の異常所見があるので14級ではなく12級となることが多い。

【裁判例15】大阪地判平成12年11月20日(交民33・6・1889)
年齢 事故時27歳、固定時29歳
性別 男性
職業 団体職員
自賠責等級 不明
裁判所認定等級等
12級
喪失期間29歳から67歳までの38年間
喪失率10%

【理由】
原告が本件事故直後から本件手術前まで訴えた頸部から左腕にかけての疼痛等の神経症状の
原因については、本件事故によって発症した頸椎の椎間板ヘルニアによる神経根の圧迫に
よるものとして合理的に説明し得る。

また、前方固定術による手術後においても、第三・四、第四・五の頸椎椎間板について、
頸椎が前屈し、第三頸椎により脊柱管の圧迫がなされているから、それにより、頸部から
左腕にかけての疼痛等の神経症状は、手術後も残存したといえる。その症状の程度については、
原告の訴える症状、レントゲン、MRI等による検査所見等を考慮し12級と考える。

【裁判例16】大阪地裁平成12年4月25日(交民33巻2号734頁)
年齢 事故時49歳、固定時50歳
性別 女性
職業 着物の着付け講師
自賠責等級 不明
裁判所認定等級等
12級12号
喪失期間5年間
喪失率14%

【理由】
初診時は、「第2ないし第5頸椎圧痛、両側肩甲上神経圧痛、スパーリングテスト陽性、
ジャクソンテスト陽性、頭部圧迫テスト陽性、頸椎生理的前の消失、変形性脊椎症」
と診断され、CTの結果特段の異常は発見されなかった。
 その後、「第2ないし第5頸部圧痛、両側肩甲上神経圧痛、スパーリングテスト陽性、
ジャクソンテスト陽性、頭部圧迫テスト陽性、両上肢の知覚異常あり、巧緻運動障害あり」
と診断され、MRI検査で第5頸椎と第6頸椎の間に頸椎椎間板ヘルニアが存し、頸髄の
圧迫変形が認められた。

さらに、CTスキャンの検査の結果、第5頸椎と第6頸椎の前後に骨が存し、椎間腔の
狭小化が認められた。

その後、「左上肢の脱力感、左肩甲帯~手のしびれ感、左上下肢の知覚鈍麻、両下肢鍵反射亢進、
左バビンスキー反射陽性」との診断も受けている。

以上を前提に検討すると、左上下肢の知覚障害、手指巧緻運動障害、頸部から左上肢の疼痛、
下肢腱反射亢進、眩暈、不眠、視力障害、視力低下等の各症状のうち、左上下肢の知覚障害、
手指巧緻運動障害、頸部から左上肢の疼痛、下肢腱反射亢進などは、頸椎椎間板ヘルニア
(椎間板の膨隆ないし脱出)がもたらす頸髄ないし頸椎神経根の圧迫による頸髄障害ないし
頸椎神経根障害によるものと認められる。

また、眩暈、不眠、視力障害、視力低下の各症状は、本件事故により頸部交感神経の損傷、
頸部筋の緊張による交感神経刺激、頸椎椎間板ヘルニアによる神経根の圧迫などにより
もたらされたものであると認められる。

さらに、本件事故直後から、車を運転して、夫の通勤等のための最寄り駅までの送迎や、
買い物に出かける等することがあったので、知覚障害等は特に重大なものであったとは
認め難いこと等に照らし、12級12号と考える。




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