12級が認定された裁判例

CT、MRIなどによる所見がある場合や、神経検査の結果、異常の程度が明らかと
いえる場合など、神経症状を医学的に明らかに証明できる場合は12級が認定される
傾向にある。このとき、もちろん、自覚症状が異常所見で裏付けられていることは必要である。

また、神経症状の発生原因に着目すると、神経根付近の圧迫が肯定された場合、
骨折周辺部分の神経症状の場合は12級になりやすく、他方、神経損傷の場合は画像等に
所見が出にくいこともあり14級にとどまる傾向がある。

【裁判例11】東京地判平成12年8月31日(自保ジャーナル1372号)
年齢 事故時42歳
性別 男性
職業 会社代表
自賠責等級 12級12号
裁判所認定等級等 12級12号
喪失期間10年間
喪失率14%

【理由】
原告に残存した右の上腕部のしびれは、本件事故直後から一貫して継続しているものであり、
緊張時などに顕著になり、重い物を持てないなど仕事への影響も否定できない。
そして、この症状は、第5頸椎と第6頸椎の椎間板の狭小化に伴う神経症状であると
考えられており、神経根症状を調べる検査においても陽性の反応が現われるなど、
他覚的にも裏付けられている。

この第5頸椎と第6頸椎の椎間板の狭小化は加齢性のものであるが、本件事故直後から
しびれが発症し、症状の発生源について医学的裏付けが存在する上、その症状の内容も
本件事故直後から一貫して継続し、仕事への影響も小さくはないといえるから、
12級12号に該当する。

【裁判例12】東京地裁平成12年3月14日(交民33巻2号523頁)
年齢 固定時62歳
性別 男性
職業 マンション管理人
自賠責等級 不明
裁判所認定等級等
12級12号
喪失期間10年間
喪失率14%

【理由】
頸椎、腰椎捻挫の症状は、時に、他覚的な所見がなくても患者本人の痛み等の訴が
強い場合があり、本件においては、腰椎に椎間板へルニアが認められるから
(椎間板へルニアが存在することは医師の意見書も認めているところ、本件の証拠関係に
よれば右へルニアは本件事故後に生じたものと考えられる。右ヘルニアが本件事故とは
別の原因で生じたとの反証は不十分である。)、知覚低下等の所見がなかったからといって、
頸椎、腰椎捻挫の傷害がなかったとは言えない。

また、MRI画像により腰椎椎間板へルニアが医学的に証明されているから、
12級12号である。

【裁判例13】東京地裁平成8年1月23日(交民29巻1号79頁)
年齢 不明
性別 女性
職業 財団法人勤務
自賠責等級 非該当
裁判所認定等級等
12級12号
喪失期間10年間
喪失率14%
【理由】
MRI画像上、左の臀部の筋肉が右に比して痩せて硬くなっていることが明らかであって、
このこととサーモグラフィーが示す温度異常から、痛みが原因となって、左臀部が低温と
なったものと認められる。

そうすると、原告の痛みは、他覚的所見に裏付けられた医学的に証明できるものであり、また、
痛みの結果、股関節に運動障害を残しており、症状固定時の診断のとおり疼痛の緩解の
見通しは少ないことから、12級12号と考えられる。

ところで、自賠では非該当とされているが、これは、サーモグラフィーの結果により
原告には心因的な影響が無いことが証明されているのに、心因的な影響があると誤診して、
左臀部の筋肉の萎縮のMRI画像を調査しなかった結果である。

【裁判例14】大阪地裁平成14年6月19日(交民35巻3号817頁)
年齢 事故時42歳
性別 男性
職業 屋根葺き、外壁板金貼り職人、現場責任者
自賠責等級 12級12号
裁判所認定等級等
12級12号
喪失期間10年間
喪失率10%

【理由】
原告に残存した頸部の疼痛、両上肢への放散痛及び両手指(特に第2ないし5指)の
痺れといった症状については、その発生機序を、第3、4頸椎間の椎間板突出
(MRI画像上にある)という器質的変化から説明することができ、症状の頑固性も
認められるから12級12号に該当する。




  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ページトップへ

0120-949-753

このページの先頭へ