14級が認定された裁判例

14級が認定されるのは、神経症状につき医学的な証明が明らかにできる程度では
ないので12級にはあたらないが、一応医学的な説明がつくので非該当にはならない
ケースと考えられる。

具体的には、CT、MRIなどによる所見がない、神経検査の結果、異常の程度が
明らかとまではいえないなどの事情で12級にはあたらないが、神経検査による異常は
一応認められたり、受傷時の状態や治療経過に合理性があったりして、神経症状を
医学的に説明できる場合が14級になると考えられる。

なお、サーモグラフィーについては、これによる所見を重視して12級を認定した裁判例
(裁判例13)があるが、他方、サーモグラフィーによる異常があっても12級には
ならないとした裁判例(裁判例10)もあり、判断が別れている。

【裁判例9】名古屋地判平成14年3月15日(交民35巻2号373頁)
年齢 事故時42歳
性別 女性
職業 主婦
自賠責等級 14級10号
裁判所認定等級等
14級10号
喪失期間3年間
喪失率5%

【理由】
原告の後遺障害は、事故後一貫して継続している頸部痛、頭痛のほか右上肢第2、
第3指のしびれの範囲である。その程度は、神経根症状の可能性があるという程度に止まり、
ヘルニア等による直接的な神経圧迫はないのであるから、自覚症状が他覚的所見で明らか
となる程度までには至らず、したがって、14級10号の範囲を出ない。

【裁判例10】東京地判平成15年1月28日(交民36巻1号152頁)
年齢 事故時58歳、固定時59歳
性別 女性
職業 有職主婦
自賠責等級 非該当
裁判所認定等級等
14級10号
喪失期間5年間
喪失率5%

【理由】
14級10号の「局部に神経症状を残すもの」とは、「労働には通常は差し支えないが、
医学的に可能な神経系統又は精神の障害に係る所見があると認められるもの」をいうのであり、
この場合、CT、MRIなどの検査によって精神、神経障害が医学的に証明できなくても、
受傷時の状態や治療の経過などから、その訴えが医学上説明のつくものであり、疼痛などの
自覚症状が単なる故意の誇張ではないと医学的に推定される場合には、14級10号となる。

本件で、被害者は、事故により頸椎捻挫、腰部捻挫、臀部部及び左下腿部打撲の傷害を負ったが、
その後、同事故を契機として、左腕のしびれ感・脱力感などの神経症が出現し、同症状は
悪化と軽快を一進一退に繰り返している。上記症状は、CT、MRIなどの検査によって精神、
神経障害が医学的に証明しえるものとは認められないものの、反訴原告は受傷後から一貫して
疼痛を訴えていること、主治医作成の後遺障害診断書があること及び前記認定の反訴原告の
受傷時の状態や治療の経過などを総合すると、その訴えは医学上説明のつくものであり、
意に誇張された訴えではないと判断できるから、14級10号に該当する。

12級12号該当性については、精神・神経障害が、CT、MRIにより医学的に
証明しえた場合に初めて認定されるところ、他覚的・客観的所見がないので
これには該当しない。

なお、被害者は、サーモグラフィーによる検査結果をもって後遺障害の残存が証明されて
いると主張するが、サーモグラフィーは、機能的な障害による温度変化から疾患の障害領域を
判定できるメリットがあるにとどまり、本件事故により上記部位に神経障害が生じている
ことを医学的に証明しうるものではない。




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