非該当とされた裁判例

前記のとおり、神経学的な症状を「医学的に証明できる」場合は12級ないし14級となるが、
「医学的に証明できない」場合には非該当となる。

非該当となるのは、他覚的な神経学的所見(検査結果による異常)が認められない場合、
痛みの発生箇所と神経根の支配領域が整合しない場合、事故の衝撃が軽微である
場合などが考えられる。

【裁判例6】東京地判平成13年4月11日(交民34巻2号497頁)
年齢 事故時27歳
性別 男性
職業 公務員
自賠責等級 非該当
【理由】
後遺障害診断書には、傷病名「頸椎捻挫」、自覚症状「後頸部痛、上肢のしびれ感
及び脱力感」、他覚症状等「X-P上骨傷はなし 明らかな神経学的所見なし」、
「今後時間がたてば軽快していく見込みあり」と記載されていること、原告は、
後遺障害認定手続をしたが、平成12年1月、頸椎捻挫に伴う自訴の症状は、
症状の発症、将来の残存性を医学的に証明、説明することは困難であるとして
後遺障害別等級表の後遺障害には該当しないと判断されたという経過等に基づき
頸椎捻挫については、「他覚的所見はなく、神経症状を医学的に証明し得るとは
いえないし、医学的に説明可能な神経系統又は精神の障害を残すものとも
認められない」とした。

【裁判例7】札幌地判平成9年12月22日(交民30巻6号1810頁)
年齢 事故時38歳
性別 男性
職業 不明
自賠責等級 非該当
【理由】
他覚的神経学的所見は認められないこと、頸椎の変性所見は複数の椎間に認められるが、
いずれも加齢によるものと考えられること、脊髄の圧迫所見がないこと、被害者が衝突の
瞬間を認識している態様で発生したものであること、双方車両の損傷状況も凹損程度の
ものであったことら考えると、被害者が本件事故により受けた衝撃は、それほど
大きなものではなかったと推認されること、高血圧症が外傷を契機としたストレスに
よっても発症すること、等を総合し、本件事故により被害者に生じた傷害は、
神経根症状に至らない程度の軽度の頸椎捻挫と、それに起因する症状からのストレス
による高血圧症であった。その後の治療経過においても検査の結果神経学的所見はなかった。

結局、被害者の症状については、他覚的所見が認められないことや本件事故による
損害賠償の問題が未解決であることなどに対する不満、焦燥などが合わさって、
心因的あるいは気質的要因により症状が残存し、治療が長期化したものである。

【裁判例8】東京地判平成11年5月10日(交民32巻3号733頁)
年齢 事故時42歳
性別 男性
職業 不明
自賠責等級 非該当
【理由】
原告に残存した症状は、頸部関係では頭重感にとどまるもので、神経学的には問題は
ないと診断されていること、平成10年にはおおむね事故前の状態に回復している
ことからすると、精神的な要因に基づくものであると考えるのが合理的であり、
いずれにしても、労働能力を喪失したといえるほどの後遺障害が残存したとまではいえない。




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