【裁判例1-4】

【裁判例1】浦和地判平12年3月29日(交民33巻2号639頁)
結論 肯定
年齢 事故時30歳、固定時40歳
性別 女性
職業 主婦
自賠責等級 非該当
裁判所認定等級等
5級
喪失期間40歳から67歳までの27年間
喪失率56%
【理由】
一般的に、事故直後には椎間板ヘルニアの定型的症状が認められない場合であっても、
事故による外傷にマイナートラウマが加わることにより椎間板ヘルニアが事後的に発症する
例が臨床的にみられることからすると、事故から一定期間経過した後に椎間板ヘルニアが
発現した場合であっても、直ちに本件事故とは無関係であると評価することはできず、
事故による受傷の部位やその後の症状の経過に照らし個別に判断しなければならないとした。

その上で、本件では、本件事故の翌日から激しい右下肢痛等を訴えていること、その後も
同様の症状を訴えながら徐々に悪化し、本件事故の約4か月後には、第4、第5腰椎の
不安定性(X線撮影)、知覚低下や筋力低下等(診察)、軽度のへルニア様突出
(MRI検査)等、椎間板へルニアを窺わせる所見が得られるに至っていること、
原告には本件事故前において腰痛及び右下肢痛等の自覚症状がなかったことを総合し、
本件事故と原告の椎間板ヘルニアとの間の相当因果関係を肯定した。

【裁判例2】横浜地判平12年5月30日(自保ジャーナル1366号)
結論 肯定
年齢 事故時26歳、固定時27歳
性別 女性
職業 会社員
自賠責等級 非該当
裁判所認定等級等
12級
喪失期間27歳から37歳までの10年間
喪失率14%
【理由】
①事故状況を検討し、事故により原告の腰部が受けた衝撃は軽微とはいえないことが
推認できること、

②本件事故の現場で腰に痛みがあったこと、腰椎のレントゲン撮影がされて腰部打撲と
診断されていること、通院中の治療院で腰痛を訴えていることなどから、
本件事故直後から腰痛があったと推認できること、

③他に腰椎椎間板ヘルニアが発症するような外力が腰部に加わったことを認めることが
できないこと、

④本件事故と原告の腰椎椎間板ヘルニアとの因果関係を肯定する診断書が
作成されていること、

⑤原告は、本件事故前に追突事故を経験しているが、この際に腰椎椎間板ヘルニアが
発症したとは認められないこと、

⑥医師の本件事故と腰椎椎間板ヘルニアとの因果関係を認める証言及び意見書の記載が
不自然であるといえないこと

等を理由に因果関係を肯定した。

【裁判例3】神戸地判平13年9月5日(交民34巻5号1231頁)
結論 肯定
年齢 事故時30歳
性別 女性
職業 主婦
自賠責等級 非該当
裁判所認定等級等
12級
喪失期間5年間
喪失率14%
【理由】
極めて軽微な衝突事故であり、その衝突の程度は日常生活において度々経験する程度の
ものであったが、腰椎椎間板ヘルニアは、椎間板の退行変性の過程で生じ、何らかの動作に
ともなって発症する場合もあれば、はっきりした発症のきっかけが分からない場合も
ある疾患であるのであって、このことは、一方で、原告に生じた腰椎椎間板ヘルニアが
本件事故以外の日常生活上の何らかの要因により生じたことを伺わせる事情であるとともに、
他方で、椎間板の退行変性があれば、本件事故程度の軽微な衝撃であっても
腰椎椎間板ヘルニアの発症を誘発する原因となり得ることを指し示す事情でもある。

そして、原告には、本件事故当時すでに退行変性が存したから、本件事故が一因となって
腰椎椎間板ヘルニアが生じたと考えても不自然ではない。

また、原告が、本件事故以前に頸部及び腰部等に不具合を抱えていたとか、病院に通院して
いたといった事情は見当たらないばかりか、かえって、原告は、本件事故以前は、
頸部及び腰部等に何らの異常も感じておらず、本件事故の3日後くらいから腰痛が
生じたと述べている。よって、原告の頸部痛及び腰部痛等は本件事故後に
初めて生じたものである。

以上検討し、本件事故と原告に生じた頸部及び腰部等の傷害並びにその後原告に
残存した後遺障害との間の相当因果関係を肯定した。

【裁判例4】大阪地裁平成12年11月20日(交民33巻6号1889頁)
結論 肯定
年齢 事故時41歳
性別 男性
職業 公務員
自賠責等級 非該当
裁判所認定等級等
14級
喪失期間5年間
喪失率14%
【理由】
原告は、本件事故後一貫して、左上肢のしびれ、握力低下等を訴えており、また、
少なくとも事故後約2か月半経過した時点で撮影したMRIに頸部椎間板ヘルニアが
存在していたことが認められる。

そして、左上肢のしびれ等は、同椎間板ヘルニアにより神経根が圧迫されたことによる
症状として不自然なものとはいえない上、原告の訴える症状が本件事故前から継続して
いたことを窺わせる事情は認められない。したがって、本件事故を契機にして、
頸部椎間板ヘルニアが発症したと認めるのが相当である。

この点、被告側は本件事故態様が軽微であって、椎間板ヘルニアが本件事故によって
発生したとはいえないと主張するが、本件事故態様からすると、事故時に原告の頸部に
相当程度の力が加わったと認められるから、本件事故により椎間板ヘルニアが発症した
としても何ら不自然ではない。

また、被告側は、外傷性の椎間板ヘルニアであれば、本件事故直後から相当程度の
自覚所見があるはずだが、原告が本件事故後も稼働していて不自然であると主張するが、
外傷性のヘルニアでは外傷後の悪化があり得ないわけではなく、また、事故直後から
手術までの原告の症状は、ある程度の悪化はあるものの、基本的には同様の症状であって、
継続性があるから、本件事故による外傷性の椎間板ヘルニアの症状と考えても
不自然ではない。




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