神経学的検査方法

末梢神経障害の有無を検査する方法の一部を紹介する
(むち打ち損傷問題・48ページ以下参照)。

ア 筋力
筋力を評価し、神経障害部位を診断する。徒手筋力評価(MMT:manual muscle testing)は、
次の6段階で筋力を判定する。なお、trick motion(ごまかし運動)に注意が必要であると
指摘されている。

5 normal 強い抵抗下で重力に対して可動域内を完全に動かせる
4 good  かなりの抵抗下で重力に対して可動域内を完全に動かせる
3 fair   重力に対して可動域内を完全に動かせる
2 poor  重力を除くと可動域内を完全に動かせる
1 trace  筋肉の収縮のみで関節の動きはない。
0 zero  筋肉の収縮なし

神経障害部位によって筋力低下の認められる部位が異なる。

C5 → 三角筋、上腕二頭筋
C6 → 腕橈骨筋、手根伸筋(橈側)
C7 → 上腕三頭筋、手根伸筋(尺側)、手根屈筋(橈側)
C8 → 手根屈筋(尺側)

イ 反射
① 深部腱反射
深部腱反射とは、腱の打診により生じる不随意筋収縮である。中枢神経系の障害により亢進、
末しょう神経障害により減弱、消失する。

三角筋反射   C4~6 腋窩神経
上腕二頭筋反射 C5、6 筋皮神経
腕橈骨筋反射  C5~7 橈骨神経
上腕三頭筋反射 C7、8 橈骨神経

② 表在反射
表在反射とは、皮膚の刺激により生じる不随意筋収縮である。中枢神経系の
障害により低下、消失する。

 腹壁反射 上 T5~7
      中 T8~10
      下 T11~12
 挙睾反射   L2~3
 肛門反射   S3~5
 足底反射   L5、S1~2

③ 病的反射
病的反射とは、健常者には出現しない反射である。中枢神経系の障害により出現する。
ホフマン(Hoffman)反射は、中指を上から下にはじき、トレムナー(Tr?mner)反射は、
中指を下から上にはじくと、それぞれ他の指が反射的に屈曲する上肢の病的反射である。
ワルテンベルク(Wartenberg)徴候は、手指掌側をハンマーでたたくと手指が屈曲する
上肢の病的反射である。

バビンスキー(babinski)徴候は、足底部の外縁を刺激すると、足指、特に親指が
ゆっくり背屈し、指が開く下肢の病的反射である。なお、ホフマン、トレムナー、
ワルテンベルクは健常人でも出現することがあるので、バビンスキーのみ病的反射と
区別することもある。

④ クローヌス
クローヌス(clonus)とは、急激に連続して生じる筋収縮と弛緩の動きである。
中枢神経系の障害により出現する。下腿三頭筋に生じる足クローヌス(ankle clonus)とは、
他動的に足関節を急激に背屈させると足関節が律動的に背屈、底屈運動をするものである。
大腿四頭筋に生じる膝クローヌス(knee clonus)とは、他動的に膝蓋骨を下方に急激に
押すと律動的に上下に運動するものである。




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