裁判例 大阪地裁平成13年6月28日

裁判例 大阪地裁平成13年6月28日
(自動車保険ジャーナル第1431号)
年齢 41歳
性別 男子
事故状況
自転車で走行中、時速50キロで走行していた被告運転乗用車に
正面衝突され、20メートル飛ばされた。

後遺障害等級
原告主張:1級3号
自賠責:1級3号
裁判所認定:不明
原告の主張する傷害及び後遺障害
傷害:頸髄損傷、脊髄性ショック、脳挫傷、頭蓋骨骨折等
後遺障害:四肢不全麻痺(特に左で強い麻痺)、四肢筋力低下著明、
筋萎縮軽度等

素因(既往症)の内容 脊柱管狭窄
素因減額 0%

ア 本裁判例の内容
本事案は、原告が「本件事故により、頸髄損傷、脊髄性ショック、脳挫傷、
頭蓋骨骨折等の傷害を負い、四肢不全麻痺(特に左で強い麻痺)、
四肢筋力低下著明、筋萎縮軽度等の後遺障害が残った」と主張したのに対し、
被告が「原告には、本件事故発生前から脊柱管狭窄症の既往症があり、
脊髄損傷になりやすい状況にあった。かかる既往症が後遺障害に
与えた影響は否定できないから、6割程度の素因減額がなされる
べきである」として、素因減額を主張した事案である。

裁判所は、①原告に脊柱管狭窄が認められたのは本件事故直後の
ことであり、原告が本件事故前から脊柱管狭窄症の症状を有していたことを
認めるに足りる証拠はないこと、②本件事故は、原告が自転車を運転中、
時速約50キロで走行してきていた被告車両とほぼ正面から衝突し、
衝突地点から約20メートル離れた路上に転倒するという、それ自体相当
激しい衝撃を人体に及ぼすことが予想されるものであったこと、
③原告の脊柱管狭窄は頸髄損傷を生じた部位の周辺に生じており、
本件事故により当該部位に直接外力が加わって脊柱管狭窄の症状が
発現した可能性も否定し難いことからすれば、原告の受傷あるいは損害が、
原告が本件事故前から有した素因により発現しあるいは拡大したもので
あると認めることはできないというべきであると判示して、
素因減額を否定した。

イ 分析
本裁判例は、本件事故と後遺障害との相当因果関係は争われておらず、
素因減額の程度のみが問題となった。裁判所は、原告の受傷あるいは損害が、
原告が本件事故前から有した素因により発現しあるいは拡大したものであると
認めることはできないとして、素因減額を否定した。

本件は、素因の存在自体が認められないことを理由に素因減額が
行われなかった事案と位置づけられる。




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