後遺障害等級認定手続

後遺障害が残った場合には、「後遺障害はどのくらい重いのか」を確定する手続、
つまり「後遺障害等級認定手続」に入っていきます。

この後遺障害認定手続によって、後遺障害等級が決まり、自賠責保険金や大まかな
損害額が明らかになっていきます。

したがって、後遺障害が残ったときは、症状固定後、ただちに後遺障害認定手続に
入っていかなければなりません。

後遺障害等級認定の手続は、「損害保険料率算出機構」(損保料率機構)
というところが行います。

この損保料率機構というのは、「損害保険料率算出団体に関する法律」に基づき
昭和23年に設立された損害保険料率算定会(損算会)から、昭和39年に
自動車保険料率算定会(自算会)が独立し、平成14年に、両会が統合して、
現在の「損害保険料率算出機構」(損保料率機構)になったものです。

さらに、具体的な調査は、都道府県庁所在地等に「自賠責損害調査事務所」をおいて、
同事務所に損害調査をさせています。

後遺障害等級認定は、被害者からも請求できるし、任意保険会社からも請求できます。

被害者から請求する場合を「被害者請求」、任意保険会社から請求するのを「事前認定」
といいます。
いずれの場合にも、まず「後遺障害診断書」を主治医に記入してもらい、
それをもとに請求していきます。

事前認定を行う場合には、任意保険会社に対して後遺障害診断書と、「同意書」を
出しておけば、あとは任意保険会社が主導で手続を行ってくれるので、手続的には
楽です。ここでは、被害者請求する場合の手続を説明します。

被害者請求をする場合には、まず交通事故証明書を取得します。
そこに、加害者が加入している自賠責保険会社が記載してあります。
そこに記載してある自賠責保険会社に連絡をして、「後遺障害の被害者請求用の
書類一式を下さい。」と依頼します。
そうすると、書類を送ってくれます。

あとは、その中に説明のためのパンフレットが入っていますので、そのとおりに
手続をすれば大丈夫です。
難しいことではありません。

後遺障害等級を認定する手続として、事前認定にするか、被害者請求にするかは、
被害者が選択することがあります。
手間隙を考えると、事前認定の方が楽です。

また、事前認定の場合には、訴訟になった場合の遅延損害金(利息のようなものです)
が多額になるというメリットがあります。

しかし、被害者請求にも次のようなメリットがあります。

1 事前にまとまったお金を受け取ることができる
被害者請求を行い、後遺障害等級が認定されたときは、その等級に応じて損害賠償額を
受領することができます。

この場合の損害賠償額は、左の図のとおりですが、一番軽い後遺障害である14級の
場合でも75万円と規定されています。

そのため、被害者請求を行えば、最終的な示談を行う前に、ある程度まとまった
お金を手にすることができるため、経済的な余裕が生まれることになります。

特に、任意保険会社から治療費の打ち切りや休業損害の支払いの打ち切りを
行われた後には、被害者請求が必須となる場合もあります。

また、弁護士に依頼して訴訟を行おうと考えた際の弁護士費用や、訴訟提起の際に
必要となる印紙代を用意することも可能となります。

そのため、経済的に逼迫しているようでしたら、被害者請求を行うことをおすすめします。

2 提出した資料を自ら把握することができる
事前認定の方法を用いて後遺障害等級認定が行われると、被害者としては、
一体どのような資料が任意保険会社から損保料率機構に対して提出されたのかを
通常知ることができなくなります。

場合によっては、任意保険会社から損保料率機構に資料を提出する際に、
任意保険会社の顧問医の意見書が添付されることもあります。

この意見書で、被害者に不利に認定が働く場合もあります。そのため、
被害者請求によって、損保料率機構に提出する書類をコントロールすることが
可能になります。

3 任意保険会社との後日の交渉が有利に展開できる可能性がある。
任意保険は、自賠責保険によってまかなわれない損害を填補するために存在します。
ということは、被害者と示談を締結する際に、自賠責保険額で示談が成立することに
なれば、任意保険会社は全く自腹を切らなくて良いことになります。

そのため、任意保険会社としては、「これが後遺障害分の賠償額になります。」
などと言って、自賠責保険の範囲内で示談を成立させようと迫られたというような
場合があります。

しかし、事前に被害者請求を行っておき、自賠責保険から損害賠償額を
獲得しておけば、任意保険会社としても、後遺障害分で「0円」というような
示談書は提示しにくいので、ある程度の後遺障害分を提示してくれる可能性が
あります。そこから交渉になる分、少し有利に展開できる場合があります。

4 後で訴訟を起こす時、印紙代が安くなる
訴訟を起こす時の印紙代は、訴訟で請求する額が大きくなればなるほど高額に
なっていきます。

したがって、被害者請求で事前にいくらかもらっておけば、訴訟の時に請求する
金額が少なくなり、印紙代も節約できます。

被害者請求により、自賠責保険会社から後遺障害分として受け取れる金額

自賠法別表第1

等級: 保険金額
第1級: 4,000万円
第2級: 3,000万円

自賠法別表第2

等級: 保険金額
第1級: 3,000万円
第2級: 2,590万円
第3級: 2,219万円
第4級: 1,889万円
第5級: 1,574万円
第6級: 1,296万円
第7級: 1,051万円
第8級: 819万円
第9級: 616万円
第10級: 461万円
第11級: 331万円
第12級: 224万円
第13条: 139万円
第14条: 75万円




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