裁判例⑧(脊髄障害・労働能力喪失率)

裁判例⑧ 大阪地裁平成15年8月29日自保ジャーナル1540号
事故時年齢 25歳
性別 女子
職業 家事従事者
傷病名 第5頸椎脱臼骨折、頸髄損傷、顔面頚部切創等
自賠責認定等級・参考喪失率
併合4級(6級5号(頸部可動域制限)、7級12号(顔面部及び頚部の醜状痕)、
12級5号(骨盤骨奇形(骨移植による採骨)12級12号(右上下肢筋力低下)) 92%
本判決認定喪失率 67%

【認定の理由】
本事案は、原告が、本件事故によって負った後遺症が、自賠責保険において併合4級に
認定されたことから、等級相当である92%の喪失率を主張して逸失利益を請求したのに
対し、被告が、原告の外貌醜状は労働能力に影響を及ぼさず、現実にも本件事故後に、
原告が、子どもの養育を行い、その子どもを抱き上げ保育し、単独でも買物、掃除、
洗濯、料理等の家事を行うことができているとして、原告の請求が過大に過ぎると主張し争った。

これらの主張を踏まえて裁判所は、頚部可動域制限、右上下肢筋力低下については
労働能力に影響を及ぼすとし、被告が主張する原告の現在の状況についても、通常よりも
時間を要するだけでなく、親族の助力も得ている状態として、6級相当の67%の喪失率を認定した。

【本裁判例の検討】
本判決は、結論として自賠責認定等級相当の参考喪失率よりも低い労働能力喪失率が
認定されているが、原告が自賠責によって認定された後遺症のうち、労働能力に直接的に
影響を及ぼすと思われる頸部可動域制限、右上下肢筋力低下について(外貌醜状はそれ自体が
身体機能を左右するものではないという特質を有することから、直接的に労働能力に影響を
与えないと判断されることが多い。)、同一の脊髄損傷に由来するものとして総合的に
判断して(6級の頸部可動域制限および12級の右上下肢筋力低下を単純に併合して5級とは
せずに)6級相当であると認定しており、実質的には等級通りの認定と評価できるものである。




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