まとめ

素因減額と呼ばれるこの割合的判断の手法は、個別の紛争について
「公平」の観点から妥当な解決を導くものであり、現在の裁判実務で
定着した考え方となっている。

この手法は、事故と損害との相当因果関係を認定する場面で、
実質的な証明度を軽減しうるという機能を果たすため、被害者保護の
観点から積極的に評価される反面、被害者に落ち度がない事情が損害額を
減額する根拠となるため、被害者にとって酷であるとの批判がなされている。
特に、この手法によった場合、最終的に裁判官が考える「公平」が
解決基準となるため、紛争当事者が「そもそも素因減額がなされるのか」、
「(素因減額がなされるとして)どの程度の減額となるのか」を
予測することが極めて困難となってしまう点が問題である。

そこで、本章では、脊髄・頸髄損傷において問題となる代表的な
既往症につき説明した後、裁判例の分析を通じて、どのような場合に
被害者の素因を根拠に損害額が減額され、その程度は如何程か、
という問題について検討する。




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