車椅子代

一般的には、腰髄以上で損傷がなされた場合には、両下肢の対麻痺が生じ、
車椅子が必要となる。

近時の裁判例においては、現実に車椅子を使っているのか、
使っているとすれば何台の車椅子をどのように使っているのか立証し、
室内用と屋外用の2台の車椅子など複数の車椅子の費用を認めているものも多い
(大阪地判平成19年7月26日、名古屋地判平成18年8月29日、
千葉地佐倉支部判平成18年11月29日、名古屋地判平成17年10月4日等)。

裁判例 千葉地佐倉支部判平成18年11月29日
(自保ジャーナル第1695号)
年齢 18歳(事故時)
性別 男子
後遺障害の
内容 頸髄損傷・第4頚椎脱臼骨折等による四肢体幹完全麻痺等
自賠責等級 1級1号

被害者側の状況
膀胱直腸障害による排泄困難、ADLは全介助状態。
自助具を用いての食事、装具を使用しての歯磨き、車椅子用グローブを
用いての車椅子の車輪の操作など、一部にある程度自力でできる動作が
あるものの、起立性低血圧や痙性麻痺の症状があり、入浴の全介助、
車椅子による移動の介助等必要。

認定された内容
在宅介護生活において車椅子及び入浴用のシャワーチェアを必要とすることは
明らかであり、かつ、室内用と戸外用に2台の車椅子を必要とするというのも
不合理とはいえない。

車椅子1台の費用が付属品を含め31万2700円であること、
シャワーチェア1台の費用が9万5000円であること、その耐用年数が
5年であることが認められ、症状固定後の被害者退院日から平均余命までの
約61年間に5年ごとこれを買い換える必要があることになるとして
下記計算式から、合計285万6386円。

(31万2700円×2+9万5000円)×(0.9070+0.7106
+0.5568+0.4362+0.3418+0.2678+0.2098
+0.1644+0.1288+0.1009+0.0790+0.0619)
=285万6386円

本裁判例は、被害者の後遺症、退院後の症状及び介護状況を具体的に主張、
立証し、屋内用、屋外用の車椅子それぞれ1台ずつに加え、入浴時に使う
シャワーチェアについても認めたものである。

車椅子についても、症状固定後の裁判時であれば実際に車椅子を
使用していることが多いであろうから、車椅子の費用が認定されるには、
その被害者の状況を具体的に主張、立証することが不可欠である。




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