裁判例

裁判例においては、症状悪化を防ぐための治療費・リハビリ費用は
ほぼ認められている(東京地判決平成20年1月30日、
大阪高判平成18年12月19日、東京地判平成17年10月27日、
名古屋地判平成17年5月17日、東京地判平成17年1月17日、
東京地八王子支部判平成14年6月14日等)。

これら裁判例は、症状固定後も現実に受けている治療・リハビリ内容を
主張・立証し、その費用を認められているものが多い。治療・リハビリ内容
としては、採尿管の取り替えのための往診、痙性の薬、下剤の処方並びに
血圧測定(大阪高判平成18年12月19日)、週1回の医師の診察と
週2回の理学療養士のリハビリテーション(名古屋地判平成17年5月17日)、
日常生活動作を維持するための理学療法・薬物療法
(東京地判平成17年1月17日)、排尿のため体内に器具を装着しており
その管理等のための通院(東京地八王子支部判平成14年6月14日)
等がある。認定されている治療・リハビリ費用は、
その治療・リハビリ内容に応じて、月額20万円~2000円程度と幅がある。

裁判例 東京地判平成17年10月27日
(自保ジャーナル第1620号)
年齢 25歳(事故時)
性別 男子
後遺障害の
内容 脊髄損傷による完全対麻痺等
自賠責等級 1級3号

被害者側の状況
胸部以下の自動運動ができない。
神経因性膀胱・直腸障害の症状があり、生涯車椅子での生活。
症状固定後の治療費及びリハビリ費用は1か月あたり1000円を
下回る月もある一方、1か月あたり2万円を超える月もあり、被害者が
確定額として請求している治療費及びリハビリ費用は、
1か月平均6800円となっている。

認定された治療・リハビリ内容及び費用
生涯にわたって、完全対麻痺に伴う神経因性膀胱炎により、人工的な導尿が
必要であり、これに伴い医師への定期検診が必要また、下肢麻痺に伴う
股関節拘縮・両下肢関節拘縮を防ぐために、リハビリも定期的に
行うことが必要。

定期検診及びリハビリに必要な費用は1か月当たり6800円を
下らないとして、平均余命まで合計150万2908円。

本裁判例は、症状固定後、被害者が現実に行っている治療・リハビリ内容
について検討し、被害者の具体的な障害内容からするとそれらが
必要なものとして、現実にかかっている治療費及びリハビリ費用を参考に、
症状固定後の治療費・リハビリ費用を認めたものである。

症状固定後(将来)の治療費・リハビリ費用が認められるには、通常、
症状固定後の裁判時には既に治療・リハビリが継続して行われそれら費用が
発生しているものであるから、本裁判例のように現実にどのような
治療・リハビリを行いどの程度の治療費・リハビリ費用がかかっているかを
主張・立証することが不可欠であろう。




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