症状固定とリハビリテーション

症状固定とは、「傷病に対して行われる医学上一般に承認された治療方法
(以下「療養」という。)をもってしても、その効果が期待し得ない状態
(療養の終了)で、かつ、残存する症状が、自然的経過によって到達すると
認められる最終の状態」をいう(財団法人労働福祉共済会
『労災補償障害認定必携〔改訂第14版〕』67頁~68頁)。

しかし、症状固定は医学的な用語ではないことに注意すべきである。
医師の世界では、病気が治ったあるいはまだ治っていないという区別はあるが、
症状固定という概念はないのである。ところが、損害賠償の世界では、
病気が治らないとして将来にわたって加害者側が永続的に治療費を含めた
損害額を負担することを認めることは、紛争が永続的に解決しないことを
認めるに等しい。症状固定は、どこかの時点で紛争を一回的に解決する
ための損害論における用語といえるのである。

そして、脊髄損傷者におけるリハビリテーションが上記のような過程で
行われていくことからすると、症状固定前にリハビリテーションが行われるのは
もちろん、症状固定後にも(その内容は異なるとしても)リハビリテーションが
継続して行われることが通常である。症状固定が、損害論において紛争を
一回的に解決するものであることからすると、一般的には、症状固定前の
医師が認めた治療方法としてのリハビリ費用が損害として認められるのは
当然であるが、症状固定後のリハビリ費用が損害として認められるかは、
症状固定という概念と矛盾するとも考えられ、そのリハビリの内容とも
相俟って検討が必要である。




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